中国の対米国輸入動向(2019年第1四半期)、データで見る米中貿易摩擦

(中国、米国)

中国北アジア課

2019年06月07日

中国は米国原産の輸入品に対し、第3弾として6月1日から追加関税率を引き上げた(2019年5月14日記事参照)。2018年7月の第1弾、8月の第2弾を含め、現在6,000以上の品目に追加関税が課せられた状態となっている。

グローバル・トレード・アトラス(GTA)によると、2018年通年の米国からの輸入額は前年比3.5%増だったが(2019年6月5日記事参照)、2018年から2019年第1四半期までの米国からの輸入動向を四半期ごとにみると(添付資料参照)、追加関税措置が2018年第3四半期にかけて一斉に発動された影響で、第4四半期は前年同期比21.5%減、2019年第1四半期は29.3%減と、大幅な減少傾向が続いている。

輸入上位20品目(2019年第1四半期)をみると、大豆(80.0%減)、乗用車(87032362:39.9%減、87032342:45.9%減)、実綿(54.0%減)(以上、第1弾)、古紙(22.7%減)(第2弾)、化学木材パルプ(45.3%減)(第3弾リスト4)が2桁の減少幅を記録した。

一方、2019年4月単月の輸入動向では、前年同月比25.8%減と引き続き大幅に減少している。6月1日から発動された第3弾(600億ドル)への追加関税率(5~25%)の影響もあり、5月以降の輸入実績にも引き続き注視が必要だ。

(水谷俊博)

(中国、米国)

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