米中双方の協調が重要、ビジネスフォーラムでパネリストらがさまざまな発言

(米国)

ロサンゼルス発

2019年06月12日

ロサンゼルス市内で6月5日に開催された第4回「中国・カリフォルニア州ビジネスフォーラム」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに、中国企業などの関係者がパネリストとして参加した。クリーンテック、先端製造、越境ECなどの分野でさまざまな議論が交わされる中、それぞれが米中貿易摩擦について言及した。

高級電気自動車(EV)製造業「カルマ(KARMA)」のルイス・リウ副社長は「米中ともに市場が大きく摩擦の影響は大きいが、交渉が落ち着き、将来的には大きな利益が得られることを信じている」と語った。

ロサンゼルス市のクリーンテックインキュベーション施設「LACI」のマイケル・ソーズ副社長は「われわれはあらゆる国のスタートアップの技術支援をする。技術を盗まれる現実的な懸念はない。知的財産権を適切に保護することが重要だ」と語った。

食品や日用品などを扱うECサイト「ヤミバイ(Yamibuy)」のショーン・シャオ最高売上責任者は「日本のチョコレートなどの菓子は北米の人にとても人気があり、売り上げの4~5割は日本製品だ。次に韓国製品の割合が大きく、関税の影響はあまり受けていない。中国から輸入する業者と比べれば、関税はむしろチャンスだ」と述べた。

医療機器製造の「ユニバーサル・メディテック」のキャンダス・リウ最高執行責任者(COO)は「米国の顧客は米国製品を希望していることが分かり、製造拠点を中国から移した。中国の人たちは安いコストで作らされ、中間業者に利益を搾取されていることが分かった」と、米国で製造・販売する利点を強調した。

ロサンゼルス交通局にEVバスを納入する「BYD(比亜迪)」のパトリック・デュアン北米副社長は「バイアメリカン関連法令(2017年4月27日記事参照)の影響で、7割は米国部品を調達しているが、電池などコア部品は輸入せざるを得ない。政府の貿易への関与は最小限がよい。現状は意思疎通不足から来ているので、対話を続けるべきだ」と述べた。

「デロイト」サンノゼ事務所のリリー・チャン・リードクライアントサービスパートナーは「貿易戦争でも米国は中国のイノベーションの勢いを止められない。両者が協調することが重要だ」と述べた。

ビジネスフォーラムの基調講演については、2019年6月12日記事参照

(北條隆)

(米国)

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