中国とカリフォルニア州がビジネスフォーラム開催、米中貿易摩擦に言及も

(米国)

ロサンゼルス発

2019年06月12日

第4回「中国・カリフォルニア州ビジネスフォーラム」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが6月5日にロサンゼルス市内で開かれた。中国9つの省から副省長などに率いられて70社以上の企業が訪れ、カリフォルニア州政府幹部や在米中国企業幹部など約500人が参加し、貿易・投資の促進に向けた交流が行われた。登壇者が米中貿易摩擦に言及する場面もあった。

冒頭、張平・駐ロサンゼルス中国総領事は「地域間の協力は米中関係を支える基盤の1つ。中国はカリフォルニア州の最大の貿易相手国であり、投資、観光客、留学生の分野でも最も貢献している。協力関係を発展させるためには、互いの強みをさまざまな分野で生かし、人的交流と対話で異文化への相互理解を促進する必要がある。現在、貿易摩擦があるが、重要なことはビジネス関係者の信頼を高めること。長期的ビジョンを持ちたい」と述べた。

カリフォルニア州のエレニ・コナラキス副知事は「通商権限は連邦にあるが、州としては中国との貿易・投資を促進する。2017年に前知事が気候変動への対応に関して中国と覚書(MOU)を締結し、ニューサム現知事も気候変動への対応を最優先課題に挙げている。クリーンテック分野で研究開発や技術協力が進んでいる」と実績を強調した。

米中通商交渉に関与してきた在米大使館の朱洪・商務公使が基調講演をし、自身の見解と断った上で、「米中間にはまだ見解の相違がある。中国は合意に至るまで追加関税は残すが、合意すれば追加関税を全て取り除く。米国は何度も中国に輸入を増やすよう要求しているが、緊張が高まった状況では輸入環境が良くない。交渉では互いに尊厳を持って対応すべきだ。米国が中国の懸念を無視して、不当な要求で何度も合意を破ったことが現在の行き詰まりにつながっている。大国である米国政府が私企業であるファーウェイ(華為技術)へあのような対応を行った(2019年5月16日記事参照)ことは遺憾でショックだ。事実と証拠のみに基づいて行動すべきだ。米国は自信を失くし、競争を恐れているようだ。西側諸国はファーウェイに技術で追いつくことができなかったから禁止したのだ」と指摘した。さらに、「シリコンバレーやイノベーションのホームであるカリフォルニア州の何人かの知人は連邦レベルとは異なる見方をしている。この州のビジネス環境は連邦とは異なる。中国は対話のドアを広げることはあっても閉ざすことはなく、いつでも対話にオープンだ。両国が協調することが互いの利益になる。将来的にウィンウィンの関係を構築できることについて楽観している」と述べた。

(北條隆)

(米国)

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