広州、深センで自動車ナンバー登録規制を緩和、年間14万台増

(中国)

広州発

2019年06月17日

広州市、深セン市は6月2日、自動車ナンバー登録規制(以下、登録規制)を緩和すると発表した。2019~2020年の間、広州市では普通車の競売(注)を5万台、省エネルギー車の競売を5万台の計10万台、深セン市では普通車の抽選を1万台、競売を3万台の計4万台と、2都市で合計14万台増加させる(表参照)。

表 広州市、深セン市のナンバー登録規制状況

広州市では2012年、深セン市では2014年から、交通渋滞や大気汚染緩和のため登録規制を実施してきた。直近では、年間登録可能台数は広州市で12万台、深セン市で8万台に限られている。

消費の落ち込みが緩和の背景

今回の規制緩和は、自動車消費の落ち込みが広東省の消費全体を引き下げていることを受けたもの。5月末には広東省政府が自動車消費の回復に向けて、登録規制を緩和すると発表していた(2019年6月10日記事参照)。

両市の自動車需要は極めて旺盛であるにもかかわらず、これまで登録規制により販売が抑えられてきた。増加分の14万台はそのまま販売台数の増加につながるとみられる。

5月をみると、抽選倍率は広州市で約170倍(抽選申し込みは約75万人)、深セン市が約375倍(約120万人)に達している。また、競売の最低成約価格も広州市で4万元(約64万円、1元=約16円)、深セン市で6万100元と高騰している。

広東省自動車流通協会によると、2018年の広東省の自動車販売台数は前年比3.8%減の256万台、中国全体と同じく28年ぶりの前年比減だったとされる(「中国新聞網」3月21日)。

(注)新エネルギー車〔プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)〕を除く自動車のナンバー登録には、毎月の抽選か競売による登録権利取得が必要となる。

(河野円洋)

(中国)

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