広東省、消費促進のため自動車ナンバー取得規制の緩和へ

(中国)

広州発

2019年06月10日

中国共産党広東省委員会の機関紙「南方日報」のウェブサイト「南方網」の5月28日付記事によると、広東省共産党委員会、広東省政府は消費促進に向け、「広東省消費促進システム・メカニズム完備実施方案」(以下、方案)を実施する。現時点で政府から詳細は公表されていないが、同記事によると、方案には29の措置が盛り込まれているという。

方案では、重点的に新エネルギー自動車(注1)の普及を図る。充電インフラの整備加速、高速道路のサービスエリアや都市部に新たに建設される駐車場への充電設備の設置目標を設定する。

また、広州市や深セン市の自動車ナンバー取得規制を緩和し、広東省内の他の市では、自動車購入制限策を打ち出すことを禁じる。現在、広州市では自動車ナンバー登録可能車両数は年間12万台、うち、抽選により省エネルギー車両(注2)1万2,000台、普通車両6万台、競売により普通車両4万8,000台に制限されている。個人の普通車両をみると、5月の抽選倍率は約170倍、競売の最低成約価格は4万元(約64万円、1元=約16円)で、自動車購入の大きな障害となっている。

その他、不動産、情報関連機器、観光、高齢者・介護分野などで消費促進策が盛り込まれている。

消費減速の主因は自動車

広東省の1~4月の社会消費品小売総額は前年同期比6.7%増(前年同期から3.0ポイント減)の1兆3,538億8,500万元、うち、商品小売額が6.5%増(3.9ポイント減)、飲食業収入が8.4%増(4.4ポイント増)と、モノの消費が大きく減速している。中でも、自動車関連の消費が5.9%減(13.4ポイント減)と大幅に減速、広東省政府も「消費不振の主要因」と認識しており、自動車の需要喚起が消費回復に果たす役割は大きい。

(注1)電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車。新エネルギー車については、ナンバー取得規制は実施されていない。

(注2)国の定める燃費条件をクリアしたハイブリッド車。

(河野円洋)

(中国)

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