初の女性上院議長を選出

(ウズベキスタン)

タシケント発

2019年06月24日

ウズベキスタン上院は6月21日、副首相・女性(地位向上)政府委員会議長のタンジラ・ノルバエワ氏を上院議長に選出した。女性が上院議長を務めるのは同国史上初めて。

ノルバエワ氏は1956年に東部アンディジャン州生まれ。内務省や地方議会などでの勤務実績を持つ。上院議長は、上院を招集し各委員会を統率・調整するほか、大統領がその責務を果たせないときは、3カ月以内に行われる次の大統領選挙までの間、大統領代行としてその職責を果たすことが憲法で規定されている(第96条)。

ノルバエワ氏の議長就任には、シャフカト・ミルジヨエフ大統領のイニシアチブも働いている。憲法の規定では、上院議長は、大統領の提案により上院で秘密投票を行い、過半数をもって決定する(第86条)。

ミルジヨエフ大統領は21日に上院で演説し、上院内に「女性・ジェンダー平等委員会」を創設することを提案。大統領は「今後、女性は(家庭を守るという)受け身的なものから、能動的にイニシアチブを握る変革者としての役割を果たすべきだ」と述べ、課題解決に時間はかかるものの、女性の生活・社会的権利の向上に最大限の努力を払わなければならないと発言した。

ウズベキスタンでは、特に地方部を中心にいまだ女性の社会進出や職業選択の可能性が限定されているとされ(2018年10月29日付地域・分析レポート参照)、2017年には下院内に「家族・女性問題委員会」が創設されたが、その効果を疑問視する声もある。そのため、今回、ノルバエワ上院議長の選出に合わせ、大統領が上院に新しい委員会「女性・ジェンダー平等委員会」の創設を提案したとみられている(ポータルサイト「カゼータ・ウズ」6月22日)

(高橋淳)

(ウズベキスタン)

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