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スタートアップによるロシア初の電気乗用車、商業生産へ

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年05月30日

ロシアで初めて電気自動車(EV)の乗用車の商業生産が開始される見込みだ。サマラ州トリヤッチ市に立地するロシアの技術系スタートアップ企業のゼッタは12月に商業生産を開始すると発表したと、国営通信社「ノーボスチ通信」や「ロシア新聞」など主要メディアが5月22日に報じた。

ゼッタが開発したEV「エル・パンダ」の概要は同社ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますに掲載されている。都市内移動を用途とする3ドア4輪タイプのハッチバック型乗用車。全長2,995ミリ、全幅1,480ミリ、全高1,725ミリ、ホイールベース1,890ミリ。駆動はホイール内にモーターを搭載する「インホイールモーター」式で、アンチロックブレーキシステム(ABS)や横滑り防止装置(ESP)も装備する。最高速度は時速120キロで、バッテリーの容量に応じ、充電1回で200~560キロの走行が可能。ユニバーサルデザインにも配慮しており、車椅子での乗降に配慮した車体設計となっている。

販売開始時期は生産開始と同じ12月で、想定販売価格は45万ルーブル(約76万5,000円、1ルーブル=約1.7円)から。部品の99%はロシア製を活用し、バッテリーのみ中国産(GEパワーテクノロジー製)を使用する。生産はトリヤッチにある自社工場で行う。生産能力は年間1万台で、2019年には10台、2020年には2,000台、2021年に1万台に拡大していく予定。このうち、半分は国内市場向け、残りはアラブ首長国連邦(UAE)やクウェート、ヨルダン、北アフリカ諸国などに輸出するとしている。

プロジェクトの開始は3年前の2016年。ゼッタの自社プロジェクトだが、研究開発には産業貿易省の支援を受ける。総投資額は4億5,000万ルーブル。財源は民間投資を主とするほか、量産体制準備については、単一産業都市(モノゴロド)発展基金(注)の資金が活用されている。

金融情報会社フィナムのアナリスト、アレクセイ・カラチョフ氏は「小さな車体は都市部での駐車に便利で、1回の充電で200キロ走行可能な点は通勤など日常生活には十分なため、高い需要が見込める」と評価する(電子メディア「レグナム」5月22日)。

ゼッタは2016年に創設された電気工学とパワートレイン分野の非標準技術、先端技術の開発・生産を目指すスタートアップ企業。社名はゼロ・エミッション・テラ・トランスポート・アセットの頭文字を組み合わせたもの。系列企業に、電動クワドコプター(離陸・推進に4つの回転翼を用いる航空機の一種)の開発を行う「クアドコプター・エアゼッタ」がある。日本企業との提携にも関心を持っており、2018年10月に幕張メッセで開催された「CEATEC JAPAN 2018」では、モスクワ市商工会議所パビリオンの枠内で出展した。

(注)モノゴロドの社会経済発展・産業多角化に向け、モノゴロドへの投資案件の融資や案件の組成に向けた支援を行う機関(2018年9月6日付地域・分析レポート参照)。ロシア最大手自動車メーカーのアフトワズ本社のあるトリヤッチ市はモノゴロドに認定されている。

(齋藤寛)

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