カナダ外相、新NAFTA法案審議に向けた動議を下院に提出

(カナダ、米国、メキシコ)

米州課

2019年05月28日

カナダのフリーランド外相は5月27日、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、新NAFTA)の実施法案審議に向けた動議を議会下院に提出した。CUSMAは2018年11月30日に3カ国の首脳により署名され(2018年12月4日記事参照)、カナダ政府は12月12日に協定文書を議会に上程している。下院議会運営規則によると、上程から21会期日が経過した3月19日以降であれば、カナダ政府はCUSMA実施法案を議会に提出できることになっていたが、カナダ政府は、米国政府が1962年通商拡大法232条(以下、232条)に基づき、2018年6月から適用しているカナダ産の鉄鋼製品に25%、アルミニウム製品に10%の追加関税措置を撤廃しないことに反発し、米国政府に早期撤廃を求めていた。

そうした中、米国とカナダが5月17日、両国がそれぞれ課してきた追加関税を撤廃することで合意したことで、カナダ側にとってCUSMA審議の足かせが取り除かれた(2019年5月20日記事参照)。フリーランド外相は動議提出後、記者団に対し、「新NAFTAの発効には、カナダだけに依存するものではなく、3カ国での批准が必要であり、カナダはNAFTAパートナー国と緊密に連携していく」と述べた(「グローブ・アンド・メール」紙5月27日)。

(中溝丘)

(カナダ、米国、メキシコ)

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