エチオピアが中国と首脳会談、工業団地の電力供給改善へ

(エチオピア、中国)

アディスアベバ発

2019年05月23日

エチオピアのアビィ・アハメド首相は4月24日、「第2回国際協力・一帯一路フォーラム」参加のために訪れた中国で、習近平国家主席と会談した。両首脳の会談は、2018年9月の第7回中国・アフリカ協力フォーラム(2018年9月26日記事参照)に続き2回目。アフリカ連合本部があることなどから、中国は政治的にエチオピアを重視し、エチオピアはインフラ建設などで積極的に中国からの協力を受け入れてきた。

当地の複数メディアによると、中国はエチオピアが2018年末までに支払うべき対中債務の利子を帳消しにした(金額は不明)。李克強首相は、アディスアベバ市内の河川沿岸美化のほか、食糧援助などの支援に署名した。また、中国企業が総額40億ドルの投資に合意したとされる。

エチオピア外務省によると、中国の国家電網が、エチオピア各地の工業団地16カ所の送配電の整備、ジブチ・エチオピア第2鉄道と国内複数都市への電力供給に18億ドルの投資で合意した。このほかにも当地メディアは、ベニシャングル・グムズ州で、竹を原料に年100万トン規模の生産量を目指す製紙工場や、印刷工場、食肉工場、医療品製造への投資を明らかにしている。

当地では、国内送電網に系統接続されず、電力が供給されていない工業団地がある。既に操業を開始している企業は不満を表明しており、入居を決めている企業の投資実行の遅れにもつながっているとみられる。工業団地の整備を核に、製造業誘致と輸出促進を図りたいエチオピアにとって、工業団地への電力供給の改善は喫緊の課題だ。今回の投資案件で、工業団地の送配電が整備されれば、諸外国からの進出企業にとっても望ましいものになるだろう。

(関隆夫)

(エチオピア、中国)

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