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自由で開かれたデジタル貿易拡大を推進

(米国)

ニューヨーク発

2019年05月30日

米国では、経済成長と賃金上昇、雇用拡大に資する重要な貿易形態として、デジタル貿易への注目が高まっている。

デジタル貿易の定義は必ずしも定まったものがあるわけではないが、例えば、米国国際貿易委員会(ITC)が2017年8月に公表した「国際デジタル貿易市場に関する報告書PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」では、「あらゆる産業分野の企業によるインターネット経由の製品・サービス、ならびにスマートフォンやインターネットに接続されたセンサーなどの関連製品の提供」と定義されている。米国議会調査局(CRS)が5月に公表した「デジタル貿易と米国通商政策PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」によると、2017年のデジタル経済は米国のGDPの6.9%を占め、510万人の雇用を支えており、デジタル貿易に関する課題は議会にとっても大きな関心事となっている。

デジタル貿易障壁の除去をあらゆる場面で主張

一方で、米国通商代表部(USTR)が2018年3月に公表したデジタル貿易に関するファクトシート外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、国境を越えたデータ移動の自由やクラウドサービスの事業展開を妨げる法律や規制の増加に対して懸念を示している(2018年4月4日記事参照)。例えば、中国のサイバーセキュリティー法によるデータの国内保存義務や、クラウドコンピューティングサービスへの投資規制のほか、インドネシアやロシア、トルコ、ナイジェリアにおけるデータの国内保存義務などを問題視している。なお、ITCによると、デジタル貿易に係る貿易障壁が取り除かれることにより、米国の実質GDPは年率0.1%から0.3%程度、実質賃金は0.7%から1.4%程度、雇用者数は0から40万人程度押し上げる経済効果があるという試算もある。

そうした中、米国政府はWTOや2国間・多国間の国際的な協議の場において、自由で開かれたデジタル貿易の推進を働きかけてきた。例えば、WTOの電子商取引に関する有志国会合では、WTOで定められるルールについて、データ・ローカライゼーション要求や技術移転強要の禁止、ソースコードやアルゴリズム保護などを順守したものとすべきだと主張している。

国別では、大手IT企業へのデジタル課税について、EUの導入断念を受けて独自のデジタル課税を検討するイタリアやスペイン、英国など対して懸念を表明している。さらに、ベトナムや中国のサイバーセキュリティー法、インドネシアのデータ・ローカライゼーション法についても、修正を促している。

こうした動きに加え、2018年11月に署名に至った米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA、新NAFTA)の協定文では、自由貿易協定(FTA)として初めてデジタル貿易に関する規定を盛り込んだ。具体的には、加盟国間をデータが自由に越境できることを保障する規定を盛り込むなどした。

(樫葉さくら)

(米国)

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