中国・ラオス・タイ、鉄道の国境接続に関する協力覚書を締結

(ラオス)

ビエンチャン発

2019年05月17日

ラオスのブンニャン国家主席兼人民革命党書記長は4月25日、中国・北京で開催された「第2回国際協力・一帯一路フォーラム」に、前年の第1回に続いて出席した。同日には、中国国家発展改革委員会、ラオス公共事業運輸省、タイ運輸省との間で、ラオス・タイ国境間の鉄道接続に関する3カ国間の協力覚書が調印された。同覚書は、現在建設中の中国ラオス鉄道とタイ中国鉄道(注)における、ラオス側(ビエンチャン駅)からタイ側(ノンカイ駅)間となる国境地域での接続について基本合意したものだ。

現地報道によると、合意内容は(1)メコン川の鉄道橋梁については、現存するラオス・タイ第1友好橋の下流側に、新たな橋を建設し、そこに中国基準である標準軌(1,435ミリ)とタイ国鉄が使用する軌間のメーターゲージ(1,000ミリ)の双方を、中国の鉄道技術基準を用いて建設する、(2)第1フェーズでは、中国ラオス鉄道と既存のタイ国鉄との接続、第2フェーズでは、建設中のタイ中国鉄道との接続を行う、(3)必要に応じて3者による委員会会議を開催する、というもの。今回の3カ国間の協力覚書の締結により、ラオス・タイ国境間の鉄道インフラ整備が一段と進むことになる。

4月25日にはそのほか、中国とラオスとの間で交通運輸セクター協力、科学技術イノベーションセクター協力などに加えて、中国国家発展改革委員会とラオス計画投資省間の中国ラオス経済回廊協力など多くの協力案件が取り交わされた。さらに、4月30日にはブンニャン国家主席兼党書記長と中国の習近平国家主席との会談が行われ、「中国共産党とラオス人民革命党による運命共同体の建設のための行動計画」が締結され、今後5年間の政治、経済、安全保障、人文、環境分野の協力強化がうたわれた。

(注)中国ラオス鉄道は、ラオスの中国国境の都市ボーテンから首都ビエンチャンまでの427.2キロを結ぶ鉄道(2017年5月18日記事参照)。タイ中国鉄道は、タイ政府が中国政府と協力して建設する、バンコクとタイ東北部のノンカイを結ぶ鉄道(2019年3月4日記事参照)。

(山田健一郎)

(ラオス)

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