豚肉、木質ペレットなどが増加を牽引、カナダの2018年対日農林水産品輸出

(カナダ、日本)

トロント発

2019年05月23日

カナダ統計局が5月9日に発表した2018年貿易統計によると、日本へのカナダの農林水産品(HS第1~23、44類合計)輸出額は、前年比5.1%増の58億8,479万カナダ・ドル(約4,825億5,300万円、Cドル、1Cドル=約82円)だった。

対日輸出総額に占める農林水産品の割合は45.4%だった。農林水産品の対日輸出額は2008年の49億440万Cドルから20.0%増加し、同一期間の全品目の伸び(16.9%)と比べても高かった。

HSコード6桁で主要輸出品目を調べたところ、農林水産品の上位20品目は添付資料のとおりとなった。

これら20品目で農林水産の全品目の対日輸出総額の87.9%を占める。例年、主要輸出品目に挙がる菜種や製材、豚肉、小麦に加え、2018年には、冷蔵の骨付きでない牛肉(16位、前年比2.01倍)、冷凍果実(20位、11.3%増)などが加わった。品目別に寄与度をみると、生鮮、冷蔵の豚枝肉およびもも肉、肩肉以外の豚肉(1.4ポイント)、木質ペレット(1.3ポイント)が農林水産品の対日輸出額を押し上げた。

カナダ畜牛協会(CCA)では、2018年12月30日の環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)発効(2018年10月29日記事参照)で、日本の牛肉関税が段階的に低減(注)されることを受け、東京の在日カナダ大使館でカナダ牛セミナーを開くなど、発効に先駆けてプロモーションを積極的に行ってきた。また、冷凍ブルーベリーに対する関税9.6%の即時撤廃を視野に入れ、カナダ各地の生産企業も、カナダ・トレードコミッショナー・サービスと連携するなどして、日本へのアプローチを継続してきた。こうした各種の活動が、CPTPP発効前の輸出増に寄与したものとみられる。

(注)CPTPP発効前の38.5%から27.5%に下がり、16年目に9.0%まで低減される。

(飯田洋子)

(カナダ、日本)

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