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デジタルプラットフォーム活用の輸送・宅配サービスに源泉課税

(メキシコ)

メキシコ発

2019年05月24日

メキシコ大蔵公債省と国税庁(SAT)は5月20日、ウーバー(Uber)やキャビファイ(Cabify)などのライドシェアサービス、ラピ(Rappi)やコーナーショップ(Cornershop、2018年9月19日記事参照)などのデジタルプラットフォームを活用した宅配サービスを提供する企業に対し、本来であれば運転手や配送人が申告納税すべき所得税(ISR)や付加価値税(IVA)を企業側が源泉納税するプログラムを6月1日から開始すると発表した。プログラムに参加するかどうかは、プラットフォーム運営会社の任意となっており、現時点でライドシェア4社〔ウーバー、キャビファイ、ボルト(Bolt)、ビート(Beat)〕、宅配4社〔コーナーショップ、ラピ、シン・デランタル(Sin Delantal)、ウーバー・イーツ(Uber Eats)〕が参加を表明している。

会社側で源泉徴収する税率は、ISRが運転手や配送人に支払う月収に応じて3~9%、IVAが8%(通常の5割に軽減)だ。源泉徴収を受けた運転手や配送人はISRやIVAについて月次申告する必要はなく、ISRの年次確定申告のみが必要となる。

インフォーマル就労者を徴税基盤に追加

今回のプログラムには、ウーバーなどと契約してライドシェアや宅配サービスを提供する個人事業者の納税を徹底させる目的があり、大蔵公債省によると、約80万人が同サービスに従事しているという。メキシコではこれらの個人事業主の大半が申告納税しておらず、税収に貢献していない。プラットフォームを提供する会社側に源泉させる方法により、着実に徴税することが狙いだ。

国立統計地理情報院(INEGI)によると、2019年第1四半期(1~3月)の就業人口の約5,415万人のうち、納税者登録(RFC)や社会保険登録がされていないインフォーマル就労者は約3,080万人に上り、就業人口全体の56.9%を占める(添付資料参照)。そのうち、インフォーマルな就労形態で働いている自営業や専門職などの個人事業者は803万人おり、就労人口全体の14.8%、インフォーマル就労者の26.1%を占める。この層を徴税基盤に取り込むことで税収増を図る。

国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)が3月25日に発表した報告書外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、メキシコはデジタルプラットフォームを通じたサービスに対する徴税機能が脆弱(ぜいじゃく)な国であり、ウーバー、ネットフリックス(Netflix)、スポティファイ(Spotify)、アップル(Apple)の4社のサービスに効果的にIVAを課税するだけでも、1億7,880万ドルの税収が生まれるという。この税収増のポテンシャルはブラジルの1億5,710万ドルを上回り、ラテンアメリカ・カリブ地域で最大だ。

(中畑貴雄)

(メキシコ)

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