トルドー首相、新NAFTA実施法案を下院に提出

(カナダ、米国、メキシコ)

米州課

2019年05月30日

カナダのトルドー首相は5月29日、カナダ・米国・メキシコ協定(CUSMA、新NAFTA)実施法案を議会下院に提出し、第一読会が行われた。CUSMAは2018年11月30日に3カ国の首脳によって署名され(2018年12月4日記事参照)、フリーランド外相が5月27日、CUSMAの実施法案審議に向けた動議を議会下院に提出していた(2019年5月28日記事参照)CUSMA実施法案(全152ページ)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますには、交渉の中でカナダ側が合意をした著作権保護期間の70年への延長や、米国とメキシコからオンライン商品をクロスボーダーで購入する際の40カナダ・ドル(約3,240円、1カナダ・ドル=約81円)までの物品税の免除などを含む23の法律改正案が含まれている。

トルドー首相は討議の中で、「新NAFTAは、世界経済の4分の1以上を占め貿易圏へのアクセスを確保するもので、今こそ下院議員が批准する時だ」と述べた(ロイター5月29日)。

本法案の審議の見通しについては、カナダ議会が6月22日から夏季休会に入り、10月21日の総選挙までは審議は行われないことから、法案の採決は総選挙後になる公算が大きくなっている。

(中溝丘)

(カナダ、米国、メキシコ)

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