日系自動車部品メーカーのアラバマ州進出が相次ぐ、トヨタ・マツダ向けサプライヤー

(米国)

アトランタ発

2019年05月29日

米国アラバマ州に建設中のマツダ・トヨタ・マニュファクチャリング・USA(MTMUS)向けサプライヤーの進出が相次いで発表されている。4月10日のトヨタ紡織(2019年4月17日記事参照)を皮切りに、5月14日にダイキョーニシカワ、同22日には豊田鉄工とワイテック、キーレックスの合弁会社がそれぞれ新工場設立を発表した。

ダイキョーニシカワはマツダ系列の自動車部品メーカーで、アラバマ州ハンツビル市のMTMUS隣接地に進出するサプライヤー第1号となった。同社にとって初の米国生産拠点だ。MTMUS工場が稼働する2021年から、バンパーやインストルメントパネルなど大型の樹脂製部品の生産を開始する。投資額は1億1,000万ドル、約380人を雇用し、年間売上高1億9,000万ドル規模の事業とする計画だ。

トヨタ系列の豊田鉄工とマツダ系列のワイテック、キーレックスとの合弁(注)であるワイテック・キーレックス・トヨテツ・アラバマ(YKTA)も、MTMUS隣接地に工場を建設する。自動車部品メーカーが系列を越えて協力するかたちだ。2億2,000万ドルを投資、約650人を雇用し、2021年からボデーシェルやシャシー部品などを生産する。

アラバマ州の発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)によると、2018年の同州の拡張・新規投資の合計額が過去最高の87億ドルを記録した。うち外国企業による投資が42億ドル、国別にみると、日本がトップの18億ドル。中でもMTMUSの投資が16億ドルと群を抜いている。同州は、工場に近接する道路の車線増設を発表する(2019年5月2日記事参照)などMTMUS関連の投資を歓迎している。

アイビー州知事は、ダイキョーニシカワが米国での最初の進出先としてアラバマ州を選んだことを歓迎し、同社と実りある長期的な関係を構築できると確信していると述べた。また、YKTAの進出について、650人の雇用創出だけではなく、同州北部に形成されつつある自動車産業のサプライチェーンの基盤を強固にするものだ、と期待を表明した。

(注)豊田鉄工が株式の34%、キーレックス・ワイテック・インターナショナル(マツダの海外事業展開に対応するため2018年11月に設立された合弁会社)が66%を保有する。

(高橋卓也)

(米国)

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