コルドバ州知事選挙、ペロン党穏健派の現職が圧勝

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2019年05月15日

アルゼンチンの中心部に位置し、国内2位の人口を抱えるコルドバ州の知事選挙が5月12日に開票され、中道左派のペロン党穏健派(正義党)で現職のフアン・スキアレッティ知事が得票率53.9%(有効得票率98.8%)で2位以下に大差をつけて、2007年、2015年に続く3回目の当選を果たした。

国政では与党連合・カンビエモス、ペロン党急進派、同党穏健派といった三つどもえの構図がみられる中、今回の州知事選挙戦では、ペロン党急進派からの候補者擁立はなく、中道左派が事実上、スキアレッティ現知事に一本化された。また、カンビエモスは候補者の一本化に至らず、分裂選挙となった。現知事への評価が高く、投票前から再選が濃厚とされていた。

今回の州知事選を通じて、足元の経済低迷で国政与党カンビエモスへの逆風が強いことが確認される結果となった。スキアレッティ知事の今回の得票率は前回から13.9ポイントの伸びを示すとともに、カンビエモスが分裂候補となったマリオ・ネグリ氏(17.78%)とラモン・メストレ氏(10.96%)を足し合わせても遠く及ばず、国政与党にとっては実質的な大敗となった。

2019年はアルゼンチン全土で選挙が予定されており、既に、3~4月にネウケン州(2019年3月20日記事参照)やリオネグロ州(2019年4月19日記事参照)の知事選挙が行われた。今後は、5月19日にラ・パンパ州、6月からは多くの州で一斉に選挙が行われる。

(紀井寿雄)

(アルゼンチン)

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