GFSI承認認証規格導入への機運高まる、カナダ食品安全規則施行から4カ月の現状を聞く

(カナダ)

トロント発

2019年05月27日

カナダでは、食品安全規則が1月15日に施行され(2018年6月19日記事参照)、食品製造や販売を行う企業の多くに食品安全予防管理計画の策定が求められることになった。しかし、食品品質管理の専門家を常駐させることが難しい中小企業では、規則に準拠する予防管理計画を自ら策定することは容易ではない。こうした状況の中、トロントで食品コンサルティングを展開するフード・テクノロジー・コンサルティングは、カスタムメイドで予防管理計画の導入支援を行っている。規則施行から4カ月を経た5月14日、同社が行う食品安全規則に係る支援の概要について、同社共同経営者のイバーナ・ロスキック氏にインタビューを行った。

(問)食品関連企業に対し、どのような支援を行っているか。

(答)大学で食品科学を専攻後、冷凍食品、乳製品、青果物を取り扱う食品企業3社の品質管理部門に勤務し、1999年に共同経営者のゴダーナ・ハルブレイナーとともに設立した。創業当時は各社へのHACCP導入支援を行っていたが、10年ほど前から世界食品安全イニシアチブ(GFSI)承認認証規格導入の要望の高まりを受け、中でも最も厳格といわれるセーフ・クオリティー・フード(SQF)やブリティッシュ・リテール・コンソーシアム(BRC)を含め、顧客の要望に応じて、FSSC22000、ISO22000、IFS PACsecure、IFS FOODの導入支援を開始した。このほか、グルテンフリー認証のトレーナー資格、米国FSPCAのFDA承認カリキュラムに基づくヒト向け食品に対する予防管理インストラクター資格を有し、従業員10人体制で各食品企業の食品安全計画導入を支援している。顧客は米国、カナダのほか、北米市場へ輸出を行うカリブ海諸国の食品企業も含まれる。

(問)企業が食品安全予防管理計画を導入するにはどの程度の時間を要するか。

(答)生産ラインが1本で商品が1~2種類、5~6人程度の従業員といったシンプルな製造工程の場合でも、予防管理計画を策定し導入するには、当社の10人の社員が総出で支援に取り組んで、3~6カ月を要する。

なお、創業以来20年、60社以上の計画導入支援に取り組んできているが、これまでカナダ食品検査庁の監査で通らなかったことは幸い一度もないという。

(飯田洋子)

(カナダ)

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