中国、米国の追加関税率引き上げに対し交渉続行の姿勢

(中国、米国)

北京発

2019年05月13日

米国は5月10日、1974年通商法301条に基づく、中国原産の輸入品に関するリスト3〔対中輸入額2,000億ドル相当の5,745品目(米国関税率表の上位8桁、一部品目は部分的に対象)〕の追加関税率を、10%から25%に引き上げた(2019年5月13日記事参照)。5月9、10日に劉鶴・副首相が訪米し、米国との交渉を行ったものの、合意には至らなかった。劉副首相は米中間で不一致が残る点として、合意後に全ての関税措置を撤廃するか否か、中国が米国から輸入する規模、合意文書のバランスの3点を挙げ、こうした原則の問題では決して譲歩しないとの姿勢を示した(「環球時報」5月11日)。一方で、交渉が決裂したとは認識しておらず、将来について楽観視しているとも語った(同)。

今回の米国の追加関税率引き上げに対し、中国商務部は5月10日の談話で「大変に遺憾で、必要な対抗措置を取らざるを得ない」と、あらためて対抗措置の実施に言及したが、本稿執筆時点(5月13日正午)で対抗措置の詳細は明らかになっていない。

今回の追加関税率引き上げを織り込んだ中国経済への影響について、中国側の報道では、引き上げ対象は回路基板、マイクロプロセッサー、自動車部品、機械など資本財や中間財が大半を占めるとし、同時に約400億ドル相当の消費財も影響を受けるとの認識を示している(「北京商報」5月10日)。また、中国人民銀行金融政策委員会の委員を務める清華大学金融発展研究センターの馬駿主任は「米国が2,000億ドルの品目に対する関税率を10%から25%に引き上げ、中国も対抗措置を取った場合、中国のGDP成長率は0.3ポイント程度下押しされるが、これはコントール可能な範囲だ」と予測している(同)。

(小宮昇平)

(中国、米国)

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