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日加首脳会談で対米・対中問題の難しさが浮き彫りに

(カナダ、日本)

トロント発

2019年05月08日

ジャスティン・トルドー首相は4月28日の安倍晋三首相との共同記者会見(注)で、2018年12月に発効した環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)により、カナダ産の牛肉、豚肉の対日輸出が増加したことを強調した。米国がTPPを離脱し、CPTPPが発効したことで、カナダ産農畜産物は日本市場に米国より低い関税率で輸出できている。

一方で、「グローブ・アンド・メール」紙電子版(4月28日)の論説は、日米の貿易交渉が既に始まっていることなどから、低関税の恩恵も長くは続かないのではないかとみている。また、共同記者会見で両首脳は、自由で公正な貿易ルールを維持し、21世紀型の貿易協定のモデルであるCPTPPを推進していくとの説明に多くの時間を費やしたが、トランプ大統領による、対話はなく関税賦課という相手を脅かす戦術が、両首脳にとって共通の頭の痛い問題なのでは、と同論説は述べている。首脳会談の様子を配信した「カナディアン・プレス」は、米国の1962年通商拡大法232条に基づく鉄鋼、アルミニウム製品への追加関税などを違法で攻撃的と非難するだけでは、トルドー政権はトランプ政権との関係強化はできないと伝えている。カナダ訪問の前に米国でトランプ大統領とも会談した安倍首相を引き合いに出し、日本は自動車輸入関税の引き上げなどで脅されているような状況下でも、トランプ大統領との関係を強化してきたと伝えている。

同記事は、首脳会談や共同記者会見でトルドー首相が2回ほど「日本」と言うべきところを「中国」と言い間違えたことについて、中国との関係がかなり大きな課題となっているためだろうと説明している。2018年12月に米国の要請で中国通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)の最高財務責任者(CFO)を逮捕して以降、在中カナダ人が拘束され、さらに、中国がカナダ産のキャノーラの輸入禁止を発表し、トルドー政権は国内の農業団体から早急な対応を求められている。

(注)首脳会談の様子は、2019年5月8日記事も参照。

(酒井拓司)

(カナダ、日本)

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