米ドル建てユーロ債発行、2013年以降で最大額を記録
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2019年04月01日
ロシア財務省は3月28日、2013年以来最大規模となるユーロ債発行取引を完了したと発表した。今回発行した国債は、2035年償還の米ドル建て30億ドルと、2025年償還のユーロ建ての2種類。ユーロ建てについては、2018年11月発行の追加分。額面で30億ドルに上る米ドル建てのユーロ債発行は、2013年以降、最大規模。クーポンレート(表面利率)は額面価格の5.1%(年率)。追加のユーロ建ては7億5,000万ユーロで、年率2.375%。
ユーロ債は英国法で管理され、ユーロネクスト・ダブリン(アイルランド証券取引所)で取引される。米国証券取引委員会(SEC)への登録義務が免除される規則144AとReg S(レギュレーション・エス)が米国、欧州の投資家にそれぞれ適用される。募集代理人はロシアの外国貿易銀行VTBとガスプロムバンクで、外国代理人の参加はなかった。決済は、ロシアの国家決済保管所(NRD)とベルギー・ブリュッセルにある国際決済機関ユーロクリアを通じて行われる。
財務省の発表によると、今回の発行額のうち、51%は英国投資家、20%は米国投資家、16%を欧州とアジアの投資家が購入し、ロシア投資家は13%以下だった。財務省は「対ロ経済制裁強化の恐れがある中で、ロシアの長期債に対する外国投資家の需要の底堅さ、ロシアが市場を通じて長期資金調達ができるということが証明された」と強調。さらに、今回のドル建てユーロ債発行によって、ロシア国債の外国人保有者を拡大し、外国通貨建て国債ポートフォリオの多様化、2018年発行のユーロ建てユーロ債の流動性を高めたとしている。
ロシア国債発行は最近好調で、3月13日には1日当たりの発行額で過去最高を記録している(2019年3月15日記事参照)。
(齋藤寛)
(ロシア)
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