行郵税の税率引き下げの詳細発表、越境ECの直送モデルに影響も

(中国)

北京発

2019年04月10日

国務院関税税則委員会は4月8日、「入国物品輸入税調整の関連問題に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公布した。行郵税(入国する個人の荷物や郵便物に対する輸入関税)の税率引き下げの対象などを規定するもので、4月9日から施行された(表参照)。

表 行郵税の改定

国務院常務会議は、4月3日に行郵税の税率を引き下げることを決定しており、今回の通知はこの決定を受けたもの(2019年4月8日記事参照)。行郵税は、2018年11月1日にも引き下げられていたが、さらに引き下げられたことになる。

税関総署は4月8日、「『中華人民共和国入国物品分類表』および『中華人民共和国入国物品課税価格表』を調整することに関する公告外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」を公布した。上記の国務院関税税則委員会の通知を受けたもので、対象となる物品の範囲と税率の詳細および各物品の課税の基準となる価格が定められた。なお、物品の分類原則と課税基準価格の確定原則に変更はない、としている。

李克強首相は今回の措置について、「行郵税が影響する範囲は比較的広く、税率の引き下げは輸入の促進と消費の拡大に役立つだけでなく、大衆に実益をもたらすことができる」との認識を示した(「中国政府網」4月5日)。

中国向けの越境ECのビジネスモデルは大きく分けて2つある。1つは、海外のECサイトを利用し、海外から商品を直接郵送する方法(直送モデル)、もう1つは保税区を活用した越境ECビジネス(保税区モデル)だ。今回の行郵税の税率引き下げは、前者の直送モデルに影響を与えるとみられる。後者の保税区モデルについては、適用対象となる越境電子商取引(EC)税制の改定品目リストが1月1日から適用されている(2018年12月4日記事参照)。

(藤原智生)

(中国)

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