USTR、GSP対象国・製品の見直しについて申請を受け付け

(米国)

ニューヨーク発

2019年04月05日

米国通商代表部(USTR)は3月25日、関係者からの申請に基づく一般特恵関税制度(GSP)の対象国・製品の見直しを行うと連邦官報で通知PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。見直しは毎年行われているもので、申請期限は4月18日までとなる。GSPは開発途上国・地域からの輸入品に係る関税を一部免除する制度で(注1)、現行GSPの適用期間は2020年12月31日までとなっている(2018年3月30日記事参照)。

USTRは2018年の輸入統計に基づくGSP見直しの対象品目を、リストIからリストIVまで公開PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)している。リストIに該当する品目は、大統領の認可がない限り、2019年11月1日にGSP資格の対象外となる。リストIには競争上から必要となる制限(CNL:Competitive Need Limitation)を超えて米国に輸入された品目が対象となり、2018年の米国への輸入額が1億8,500万ドルを超えるか、総輸入額のうち当該国からの輸入額が50%以上を占めている品目が該当する。リストIの対象品目の内訳はトルコ3件、インドネシア、マケドニア、タイがそれぞれ1件となっている(注2)。リストIIには米国の総輸入額のうち、当該国からの輸入額が50%以上を占めるが、総輸入額が2,400万ドル以下と僅少であるためCNLの対象外となる品目が該当する。リストIIIには現在GSP資格を有さないが、今後GSPの対象となる可能性のある品目が該当する。リストIVには5年以上の期間CNL免除を受けている品目のうち、CNLの150%、または米国総輸入額の75%を超えるもので、今後GSPの対象外となるが(注3)、今回は該当案件はなしとなっている。

USTRは本件に関する公聴会を開催するとしており、詳細についてはUSTRが後日発表する。なお、USTRは3月4日に、今後はインドとトルコをGSP対象国から除外すると発表しており(2019年3月12日記事参照)、両国のGSP資格失効後はインドとトルコに関連する申請は対象とならない。

(注1)GSP対象国・地域は、米国国際貿易委員会(ITC)の米国関税率表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますの注釈4(General Note4)に記載がある。4(a)ではGSP対象国・地域、4(b)では後発開発途上国、4(d)ではGSP対象外となる品目と原産国・地域のリストを掲載している。GSP税率は、「特別税率(Rate of Duty:Special)」欄の特別プログラム表示(SPI)が「A」「A+」「A*」の3種類で表示されているものに該当。

  • 「A」:全GSP対象国・地域
  • 「A+」:後発開発途上国からの輸入製品が対象
  • 「A*」:GSP対象国・地域のうち、4(d)に掲載されている品目と原産国・地域を特恵の対象外としている

(注2)リストIの対象HTSコード、対象国は次のとおり。1104.23.00(トルコ)、1104.29.90(トルコ)、3823.11.00(インドネシア)、7408.29.10(トルコ)、8702.10.31(マケドニア)、9001.50.00(タイ)。

(注3)1974年通商法503条(d)(4)、(b)(ii)に記載のとおり。

(須貝智也)

(米国)

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