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大統領の年次教書演説、インフレ対策、人材育成、憲法改正などに言及

(ベラルーシ)

欧州ロシアCIS課

2019年04月23日

ベラルーシのルカシェンコ大統領は4月19日、年次教書演説を行った。話題は、所得向上、インフレ対策、住宅問題、子供のいる家族への支援、医療・ヘルスケア、教育・人材育成、労働生産性向上、中小企業育成、デジタル経済、農業、輸出振興、地方のインフラ整備、スポーツ・観光、外交・安全保障、情報セキュリティー、汚職対策、ロシア語の地位、法制度改革など多岐にわたり、演説時間は約2時間に及んだ。

演説の冒頭で、主要な優先事項として、国民福祉、平和外交、国家安全保障の3つを掲げた。国民福祉では、2018年に科学、教育、ヘルスケア、建設分野の給与を引き上げたとし、国民の平均給与は月額500ドルを達成することができたと強調。一方、社会的な課題の1つであるインフレ対策については、中期的に5%以内に抑える必要があるとし、特に年金生活者に代表される低所得者層のためにも、価格統制の実施について生産者などに理解を求めた。

教育・人材育成については、経済成長には労働生産性向上が不可欠とし、特に、小中学生からの専門的な技術教育が重要なため、ロシアのソチ市にあるテクノパーク「シリウス」(注)を見本とし、ベラルーシにも「国家児童テクノパーク」を2021年1月1日までに創設すると述べた。

外交については、CIS、ユーラシア経済連合(EEU)、中国、EUを重点国として挙げた。中国に関しては「戦略的に最も重要なパートナー」とし、ベラルーシは「一帯一路」構想の重要な役割を担っていると強調。EUとの協力については、人権や安全保障、福祉などの社会経済分野に関心があるとした。CISに関しては、貿易だけでなく、政治対話プラットフォームとして重要とした一方、EEUについては、経済統合が「参加国の平等原則に基づく経済統合であるべきだ」と述べ、本問題が2020年までの課題だと指摘。とりわけ2018年来、「ベラルーシにおける最大の貿易相手国が圧力、差別、脅迫、禁輸などの容認できない措置を講じている」とし、ロシアを暗に批判した(2019年3月7日記事参照)。

加えて、輸出振興のため、米国、中南米、中東、アフリカ、アジアなど多方面外交を展開するとし、特に「エコな農産品」の輸出拡大に注力すると言及し、有機製品の生産・流通に関する法令を策定したと述べた。

演説の最後に、社会経済面の課題克服には法制度改正が不可欠で、特に根幹となる憲法改正が必要とし、「自分の後継者に憲法改正という課題を残したくない」とし、自身の退任を暗示するような発言をしつつ、議会権限を強化する改正の可能性について触れた。さらに、議会選挙日程については2019年11月7日を第1候補として前倒しでの実施を挙げ、大統領選挙についても現在の任期が満了する2020年に行うと述べた。

(注)プーチン大統領のイニシアチブで2014年12月に設置された、クラスノダル地方ソチ市の五輪施設跡を活用し、芸術、スポーツ、自然科学、技術創造分野で才能ある子供に対して、早期に気づかせ、専門教育を施す施設。

(齋藤寛)

(ベラルーシ)

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