陝西省、5月から最低賃金引き上げ

(中国)

北京発

2019年04月15日

中国陝西省の人力資源社会保障庁は「陝西省の最低賃金基準の調整に関する通知」(陝人社発[2019]8号)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した(1月24日)。5月1日から最低賃金を引き上げる。

陝西省の最低賃金は1~3類の地域ごとに設定され、月額はそれぞれ1,800元(約3万600円、1元=約17円)、1,700元、1,600元となる(表1参照)。2017年の改定時(以下、前回改定時)は、4つの地域ごとに設定されていた(2017年4月26日記事参照)。

表1 陝西省の最低賃金

1類地域は、これまでの西安市の新城区、碑林区、雁塔区、咸陽市の秦都区、渭城区、楡林市の楡陽区などに加えて、前回改定時には2類地域だった臨潼区、長安区、高陵区が加わり、合計19県(区)となった。今回の3つの地域区分のうち金額は最も高いが、上昇率は7.1%と最も低かった。一方、3類地域は金額が最も低かったものの、上昇率が8.1%と最も高かった。

今回の通知では、同一勤務先で1日当たりの平均労働時間が4時間を超えず、1週間の労働時間が計24時間を超えないパートタイム(非全日制就業労働者)の最低時給も、3地域でそれぞれ18元、17元、16元へと引き上げた。

1類地域の最低賃金、上昇率が1桁に

陝西省政府は2006年7月1日、最低賃金に関する旧規定(1994年版)を廃止し、現行の「陝西省最低賃金規定(陝西省人民政府令第109号)」を公布した。1類地域の最低賃金の上昇率は、前回改定時まで毎回2桁だったが、今回は7.1%で前回(13.5%)を6.4ポイント下回った(表2参照)。

表2 陝西省1類地域の最低賃金の推移

ちなみに、陝西省が企業に示している2018年の賃金ガイドライン外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは、上昇率の下限ラインを3.0%、基準ラインを7.5%、上限ラインを12.0%と設定した。このうち、基準ラインは前年より0.5ポイント引き上げている(2018年7月13日発表)。その他は前年と同様とした。賃金ガイドラインは、強制力はないものの、企業の賃上げの参考として政府が定期的に発表する。

(趙薇)

(中国)

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