中国とイランを結ぶ鉄道輸送網、ウズベキスタンの参画で効率化へ

(カザフスタン、中国、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン)

欧州ロシアCIS課

2019年04月10日

カザフスタン、中国、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イランの鉄道管理当局代表者は4月4日、カザフスタンのアルマトイで国際貨物輸送の発展に向けた取り組みに関する会合を開いた。会合では、中国とイランを結ぶ鉄道コンテナ輸送ルートにウズベキスタンが加わることが決定し、輸送期間・ルートの短縮などが図られる見通しになった。

会合を主催したカザフスタン鉄道の発表によると、現在、中国からイラン向けコンテナ貨物は(ウズベキスタンを迂回し)カザフスタンのボラシャク、トルクメニスタンを経由してイランに輸送されており(注1)、同ルートの2018年の輸送実績は1,000TEU(20フィートコンテナ換算単位)で増加を続けている。今回、ウズベキスタンが同輸送に参加することで輸送ルートが短縮され、輸送日数が大幅に削減される(添付資料参照)。このほか会合では、ウズベキスタンを含めた統一の輸送運賃についても合意された。

カザフスタン鉄道のカナト・アリマガムベトフ第1副会長は「中国からわれわれの国々、その他輸送先のトランジット輸送の発展のためには、(荷主に)受け入られる料金体系とその他条件が重要」と述べ、輸送貨物量の増加に向け、ダブルスタックカー(注2)の導入なども含めた価格競争力強化と輸送の正確性向上に努めていく方針を示している。

カザフスタン政府は、中国政府の「一帯一路」イニシアチブに合わせ、中国と西欧・その他地域間の自国経由のトランジット貨物を増やす政策を積極的に進めている(2019年3月8日記事2019年4月4日記事参照)。

(注1)同ルートの輸送距離は1万キロを超え、中国東部(沿岸部)からイランまでの輸送期間は12日で、海上ルートの2分の1とされる(フェルガナ・ニュース4月5日)。

(注2)コンテナを2つ積み重ねることができる貨車。

(高橋淳)

(カザフスタン、中国、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン)

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