シカゴで初の黒人女性市長、低所得地域を含む市全体の発展を強調

(米国)

シカゴ発

2019年04月05日

シカゴ市長選挙の決選投票が4月2日に行われ、無所属として立候補した民主党員の元連邦検事ロリ・ライトフット氏が73.7%の得票率で当選した。ラーム・エマニュエル市長の任期満了に伴い、2月26日の第1回投票で、上位2人のライトフット氏とイリノイ州クック郡長のトニ・プレックウィンクル氏との決選投票となった(2019年3月4日記事参照)。

ライトフット氏はシカゴ市で初めての黒人女性市長で、女性市長としては1979年就任のジェーン・バーン氏以来2人目となる。同性愛者であることを公表している初めての市長でもある。

ライトフット氏は公約の中で、市の中心部に投資が偏っていることを批判し、活性化のためには、低所得者層が比較的多い南部や西部を含む市全体への投資が必要と訴えた。具体的な施策として、市の関係機関を市内に分散して配置することや、低所得地域で長期的な投資を促すオポチュニティー・ゾーンを活用することなどを挙げている。経済政策については、強く公平なシカゴ経済を目標に掲げ、中小企業やスタートアップ企業が経営しやすい環境づくりを公約に入れている。

当選後のスピーチでも、市全体の発展や治安の強化を強調しており、5月に予定されている就任演説での発言に注目が集まる。

(飯田桃子)

(米国)

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