シカゴ市で初めての黒人女性市長誕生へ
(米国)
シカゴ発
2019年03月04日
2月26日、ラーム・エマニュエル市長の任期満了に伴うシカゴ市長選が行われた。選挙に先立って、現職のエマニュエル市長は不出馬を表明。選挙は、過去最多の新人候補者14人による争いとなった。シカゴ市長選は、50%以上の得票率を獲得した候補者が選出されることになっているが、50%に満たない場合は上位2人の決選投票を行うこととなる。今回の市長選は、民主党の元連邦検事ロリ・ライトフット氏(得票率:17.5%)と、同じ民主党のイリノイ州クック郡長であるトニ・プレックウィンクル氏(16.1%)の上位2人による決選投票となる(「シカゴ・トリビューン」紙2月27日)。決選投票は4月2日に行われる予定。どちらの候補が選出されたとしても、シカゴ市初の黒人女性の市長の誕生となる。
ライトフット氏は、エマニュエル現市長が設置した警察責任特別委員会の議長を務めてきた。警察官の懲戒処分などを決定するシカゴ警察委員会のトップでもあった経歴から、警察組織の改革を選挙キャンペーンの中で強調。また、シカゴ市で常態化しているポリティカル・マシン(Political Machine、注)に真っ向反対を示しているほか、同性愛者であることを公表している初の市長候補としても注目されている。
他方、プレックウィンクル氏は、教師だった経歴を持ち、公立学校の教育強化の重要性を訴えるとともに、クック郡長の経歴を市政に生かせると強調し、キャンペーンを実施してきた。
2月26日の投票率は約34%と過去2番目の低さとなったが、候補者が多数いたことから、決選投票を待っていた有権者も多いとみられ、4月の決選投票に注目が集まる。
(注)公共事業などの利権に基づく集票集団。
(大土萌子)
(米国)
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