ジェトロ、アフリカICT最新動向セミナー開催で日本企業の商機探る

(アフリカ)

中東アフリカ課

2019年03月20日

ジェトロと総務省は3月8日、東京で「アフリカICT最新動向セミナー」を開催し、172人が参加した。アフリカの有望分野である情報通信技術(ICT)やイノベーション、スタートアップ企業動向について、国内外の専門家5人が講演を行った。

東京大学社会科学研究所の伊藤亜聖准教授は、新興国におけるICTベンチャー企業の最新動向、投資家の投資アプローチの在り方について講演した。経済成長とデジタル化は相関関係に、ないとする「デジタル化のパラドクス」仮説〔調査レポート「南アフリカ共和国のスタートアップ事例-新興国におけるイノベーションの実態-」(2018年8月)参照〕を提示し、新興国・開発途上国や新興企業がICT分野で急成長する実態を解説した。

マクラーティ・アソシエイツのアフリカ部門シニアアドバイザーであるエリオット・ペンス氏はアフリカの通信環境の変化をデータで示し、米国企業のアフリカ進出に詳しい自身の知見を基に、ICTビジネスの可能性について説明した。ジェトロ・ヨハネスブルク事務所の川崎大佑所員はアフリカのICT概況、スタートアップ企業〔調査レポート「アフリカ・スタートアップ100社」(2019年2月)参照〕について紹介した上で、同分野における日本企業のビジネスの可能性について、アフリカのスタートアップ企業への投資、ビッグデータの活用などを提言した。

アソコ・インサイトの創設者でエクゼクティブ・ディレクターであるグレッグ・コーエン氏はアフリカ中心に展開する各国企業のICT関連事業について説明した。最後に日本IBM東京基礎研究所の担当部長、立堀道昭氏が社会基盤としてのICTと、ICTを利用したアフリカでの社会課題解決型ビジネスを紹介した。

質疑応答では、「アフリカでの継続的なビジネスは」「アフリカへの日本企業の進出におけるアドバンテージは」などの質問が挙がり、活発な議論が展開された。

写真 質問に答える講師。左から伊藤氏、立堀氏、川崎氏、コーエン氏、ペンス氏(ジェトロ撮影)

質問に答える講師。左から伊藤氏、立堀氏、川崎氏、コーエン氏、ペンス氏(ジェトロ撮影)

日本企業の出席者からは「日本ではなかなか入らない最新情報を入手できて有益。伊藤氏の説明でベンチャーキャピタルへのアプローチ事例がよく分かり、他の講演内容と比較する際に大変参考になった」などの声があった。

写真 日本企業関係者など172人が参加(ジェトロ撮影)

日本企業関係者など172人が参加(ジェトロ撮影)

(蓑和希典)

(アフリカ)

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