李克強首相、4月1日から増値税率引き下げを発表

(中国)

北京発

2019年03月18日

中国の李克強首相は3月15日、第13期全国人民代表大会(全人代)第2回会議閉幕後の記者会見で、4月1日から増値税率の引き下げ、5月1日から社会保険料の負担率の引き下げをそれぞれ行うことを発表した。

3月5日に発表された「政府活動報告」では、増値税改革を深化させ、製造業などの業種の税率を現行の16%から13%に、交通運輸業や建築業などの業種の税率を現行の10%から9%に引き下げる方針が示されていた。社会保険料については、各地方政府が都市部職工基本養老保険の保険料率(企業負担分)を現状の原則である20%から16%まで引き下げてもよいこと、失業保険と労災保険の保険料率の段階的引き下げ政策を引き続き実施することが示されていた(2019年3月15日記事参照)。

これら方針に沿った形で、国家税務総局などの担当部局から引き下げの詳細な内容が今後示されるとみられる。

李首相は、これらの減税により2兆元(約34兆円、1元=約17円)弱の企業負担の軽減につながり、「経済が下押し圧力に直面する中において、重要かつカギとなる措置」との認識を示した。

一方で、減税効果については疑問の声もある。社会科学院財経戦略研究院の汪徳華研究員は「多くの小規模零細企業では、10~20%の従業員しか社会保険に加入しておらず、完全に法律に従って全従業員が加入しないといけないということになれば、社会保険料率をいかに引き下げようとも、負担は大幅に増加するだろう」としたうえで、「法律の規定を満たした上でいかに小規模零細企業の社会保険料の実質的な引き下げを実現するか、さらなる模索と研究が必要だ」と指摘する(「21世紀経済網」3月6日)。

李首相は、減税措置の確実な実施と実質的な減税効果の実現に力点を置いており、「減税を進めるプロセスの中で、税制度の原因により、特定の業界で控除が少なく負担が増える可能性があることなどを踏まえ、それらに対してはより大きな減税となるように対策を準備した」としている。

(藤原智生)

(中国)

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