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英国政府、ノー・ディールなら北アイルランド国境では関税徴収せず

(英国、EU、アイルランド)

ロンドン発

2019年03月18日

英国のEU離脱(ブレグジット)をめぐり、英国政府は3月13日、合意なき離脱(ノー・ディール)となった場合の北アイルランドにおける英国独自の国境管理措置を公表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。英国は北アイルランド紛争の和平合意(ベルファスト合意)を順守し、物理的な国境管理施設(ハードボーダー)を設けないことを確約。一部例外を除く全物品について、アイルランドから北アイルランドへの輸入時に、陸上国境線上では通関手続きや新たな検査は一切導入しないことを明らかにした。同日発表したノー・ディール時の暫定関税枠組み(2019年3月14日記事参照)も適用せず、関税は徴収しない。

例外として、国際法で規制される物品については新たな手続きが必要となる。危険化学物質やオゾン破壊物質、Fガスの輸出入には電子申告が必要なほか、絶滅危惧種、ダイヤモンド原石を北アイルランドに輸入する際は、ベルファスト国際空港で検査を受ける。また、二重用途物品のEU向け輸出は政府の許可が必要となる(2019年2月8日記事参照)が、この措置は北アイルランドでも適用される。

防疫関連の検査や届け出も引き続き必要。EU域外から北アイルランドに輸入される動物・同製品は、特定の国境検査施設で検疫手続きを行い、同じくEU域外産の規制植物がEU経由で北アイルランドに入る場合は、検疫証明の提出と輸入事業者の施設での検査が求められる。高リスク植物のEUからの輸入には、現行のEUの仕組みを置き換える措置として、英国政府への事前電子申告が必要となるが、物理的な検査は伴わない。

このほか、小規模事業者は付加価値税(VAT)と物品税(Excise duty)の電子申告が新たに必要となる。これまでも両税はアイルランドから輸入される物品に課税されていたが、小規模事業者はVAT番号登録が免除されていた。また、北アイルランドに小口貨物を出荷するアイルランドの事業者は、英国歳入関税庁(HMRC)への登録が必要になる。EUの物品税システムに登録している事業者は、英国の同樣のシステムに登録することになる。いずれも国境での検査などは伴わないため、例外とはせず導入される。

今回の措置は、本来必要な関税徴収や通関手続きを伴わないため、不正貿易や安全保障上の脅威につながる恐れがある。このため、政府はあくまでも暫定的な措置であることを強調。英国政府は、ノー・ディールとなった場合、今回の措置に代わる長期的なハードボーダー回避策についてEU、アイルランド政府と速やかに協議を開始するとしている。

(宮崎拓)

(英国、EU、アイルランド)

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