現職のブハリ大統領が再選、野党は選挙結果に抗議

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年02月28日

ナイジェリア独立国家選挙管理委員会(INEC)のマフムッド・ヤクブ委員長が2月27日未明(現地時間)に会見し、同23日に投票された大統領選挙で現職のムハンマド・ブハリ氏の再選を発表した。26日夜(現地時間)から英BBCや現地メディアなどが相次いでブハリ大統領再選の見通しを報道(2018年2月27日記事参照)していた。投票は当初2月16日に予定されていたが、当日未明に1週間延期が決定された(2018年2月18日記事参照)。

INECの会見を受け、勝利したブハリ大統領は「(イェミ・オシンバジョ)副大統領や、全てのAPC(与党の全進歩会議)への協力者、そして神にこの勝利を感謝したい。新しい4年間を与えてくれた有権者にも礼を申し上げる」などとする声明を発表。27日午後には、INECから正式に当選証明書がブハリ大統領に手渡された。南アフリカ共和国のラマポーザ大統領は祝意を表し、「南アとナイジェリアの友好的な2国間関係と、さらなる経済強化への取り組みをともに継続していきたい」と話した。

野党の人民民主党(PDP)は、いまだ同選挙の敗北を受け入れていない。元副大統領のアティク・アブバカル候補は今回の選挙について、APCやINECが不正を行ったと強く抗議。自身のツイッターで「私は2月23日に行われた不正選挙の結果を拒否し、法定で争う」「民主主義が骨抜きにされていることを許してはおけない」と発言し、選挙の正当性について裁判所の判断を求める見込みだ。裁判所の判断が出るまで、組閣をはじめ政府運営や立法、審議中の2019年度予算案策定のプロセスなどは中断を余儀なくされ、経済への影響が懸念される。また、都市部でのデモや暴動発生の可能性や、PDPの支持率が高い東部の産油地域ではナイジャーデルタ・アベンジャーズなど反政府勢力が再び石油パイプラインの破壊活動などを活発化させる恐れもあり、予断を許さない状況が続く。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

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