大統領選挙、投票当日に1週間延期を決定

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年02月18日

ナイジェリア独立国家選挙管理委員会(INEC)は2月16日未明(現地時間)、同日に投票が予定されていた大統領選挙と上下両院の議会選挙を2月23日に延期すると発表した。また、3月2日に投票予定の州知事・州議会選挙も、3月9日に延期することを発表した(添付資料参照)。

INECのヤクブ委員長が延期を発表したのは選挙当日の午前2時44分で、投票開始まで5時間を切っていた。公式発表では、「ロジスティクス、運営プランを慎重に検討した結果、自由で公平かつ信頼のおける選挙とするためには予定どおりの実施は困難と判断した」とし、投票所や投票用紙の準備が間に合わなかったことが原因とみられる。

4年ぶりとなる大統領選には73人が立候補しているが、実質的には現職のムハンマド・ブハリ大統領〔全進歩会議(APC)〕と、元副大統領のアティク・アブバカル氏〔人民民主党(PDP)〕の一騎打ちで、接戦が予想されている。両候補は延期決定に対してともに遺憾の意を表明しているが、INECに強い影響力を持つとみられているブハリ陣営が選挙を有利に進めるために時間を稼いだという憶測も流れている。そうした背景から、アブバカル氏は自身のツイッターで、有権者に落ち着くよう呼び掛けた上で、「選挙は延期できるが、運命は延期できない」と、暗にブハリ大統領を批判した。有権者は出身地など自身が登録した地域でしか投票できないため、数日前から多くの人々が移動を開始しており、当日の延期発表に怒りの声が聞かれる。

選挙の延期により経済活動の停滞も懸念される。投票当日は選挙区外への移動が原則禁止となり、さらに前日正午から翌日正午までは陸路の国境も封鎖される。これに伴い多くの工場は操業を停止、商店や飲食店も休業するなどの対応を取っており、エミレーツ航空もナイジェリア出発3便のうち2便を欠航としていた。突然の延期は工場の生産計画、営業や販売にも影響を与えることになる。政治的な空白期間が続き、重要な産業関連法案の議論や可決が滞るなど、経済活動への影響は避けられない。日系企業の多くも選挙期間中の出張を自粛するなどの措置を取っているが、延期に伴い自粛期間を見直す必要性に迫られている。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

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