2018年第4四半期のGDP成長率は前期比0.2%と減速、通年で1.4%に

(英国)

ロンドン発

2019年02月15日

国民統計局(ONS)の2月11日の発表によると、英国の2018年第4四半期(10~12月)の実質GDP成長率(第1次速報値)は前期比0.2%、前年同期比1.3%となり、2018年通年では1.4%だった(図参照)。前期比、前年同期比ともに事前の予測を下回り、前年同期比1.3%という実績は2012年第2四半期(4~6月)以来の低成長だった。

図 四半期ごとのGDP成長率の推移

需要項目別にみると、個人消費が1.9%増(前年同期比)と引き続き堅調で、景気を下支えしたが、総固定資本形成(1.4%減)、輸出(0.9%減)などが景気の足かせとなった(表参照)。

産業別にみると、サービス部門は1.9%増で、中でも流通・ホテル・レストランが3.4%増、運輸・倉庫・通信が3.0%増、ビジネスサービス・金融が1.8%増と好調で景気を牽引した。その一方、製造業は1.5%減と低迷した。特に自動車、鉄鋼の生産減が影響したという。

表 英国の実質GDP成長率〔前年(同期)比〕

GDPが6年ぶりに低迷したことについて、ONSは、今回の発表では英国のEU離脱(ブレグジット)が原因だとは説明していない。実際に、米中貿易摩擦、自動車産業の不振(2019年2月12日記事参照)、小売業の相次ぐ閉店(2019年2月1日付地域・分析レポート参照)といった要素も成長の足かせになっている。好調なサービス部門全体でさえ、2018年の成長率は前年比で0.4ポイントも減少した。その背景には、ブレグジットをめぐる不安定な状態の継続が企業の投資や仕入れ行動などに悪影響を及ぼしているとされる。ONSが2018年12月にサービス業の仕入れ担当者を対象に実施した調査によると、好調なサービス部門も、ブレグジットによる不透明性のマイナスの影響を受けている。2月7日に2019年の経済予測を下方修正したイングランド銀行のマーク・カーニー総裁は、何ら合意なくEUから離脱するノー・ディールの際には英国は景気後退に陥るリスクがあると警告している。

(岩井晴美)

(英国)

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