ロシア極東での木材輸送量が減少

(ロシア)

欧州ロシアCIS課

2019年02月13日

ロシア鉄道極東支社は2月6日、1月の貨物輸送実績を発表した。木材(製品含む)は35万9,000トンで前年同月比8.4%減となった。物流分野のビジネス誌「RZDパートナー」(インターネット版)はロシア政府による輸出関税引き上げの影響と分析している。

同誌は、大部分が輸出向けのロシア極東の木材・同製品の輸送実績が前年同月比減になったことは予想内で、その理由として2017年12月に導入された割当制度の導入と段階的輸出関税の引き上げ(2018年4月4日記事参照)を挙げている。制度導入によるロシア極東内での木材加工産業の振興は政府が期待するほどの成果を上げておらず、ファイバーボードや家具製造など高付加価値品への移行も進まず、森林には伐採された木材が利用されずに野積みになっている、と報告している。

写真 ロシアから中国に輸出される製材(ジェトロ撮影)

ロシアから中国に輸出される製材(ジェトロ撮影)

割当外での輸出関税は、1月1日から12月31日までは40%、2020年1月1日から12月31日までは60%、2021年1月1日からは80%となることが予定されており、ロシア極東からの木材・同製品の輸出減少は一層続くとみられている。

写真 ロシアから中国に輸出される製材などを積んだトラックの列(ロシア・ポグラヌィチヌィ-中国・綏芬河国境、ジェトロ撮影)

ロシアから中国に輸出される製材などを積んだトラックの列(ロシア・ポグラヌィチヌィ-中国・綏芬河国境、ジェトロ撮影)

(高橋淳)

(ロシア)

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