コストロマ州で企業城下町型の優先的社会経済発展区域(TOR)が設置
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2019年02月01日
ドミトリー・メドベージェフ首相は1月28日、モスクワ北東にあるコストロマ州ガリチ市を優先的社会経済発展区域(TOR)に指定すると発表した。ビタリー・ムトコ副首相との会合で述べたもの。
署名されたのは、1月25日付政府指令第37号「優先的社会経済発展区域『ガリチ』の設立について」。TORは指定地域の投資家に対し税制優遇措置などが与えられる制度(2015年4月14日記事参照)。ロシア極東の振興を目的に創設されるTORと、ソ連時代から続く単一産業都市(モノゴロド)の産業多様化を目的として創設されるTORの2種類がある。今回は後者のTOR。ガリチはモスクワの北東500キロに位置し、ロシア地場クレーン車製造大手の「ガリチ・クレーン車工場(GAKZ)」の企業城下町。TOR創設に当たり、3件の事業計画について投資枠組み契約が投資家と市当局との間で締結されており、牛乳加工、木材加工(パネル製造)、有機肥料製造分野で750人の新規雇用と86億ルーブル(約146億2,000万円、1ルーブル=約1.7円)の投資が予定されている。TOR企業としての認定条件は250万ルーブル以上の投資と10人以上の新規雇用。
1月28日の会合では、ムトコ副首相がメドベージェフ首相に、2018年のモノゴロド型TORの実績について報告した。66カ所のTORが創設され、150億ルーブルの投資実行と9,000人の新規雇用が創出。280の認定企業と25億ルーブルの税収があったとしている。また、14の政府指令案が現在、連邦政府へ提出されており、16の政府指令案が主管の経済発展省で作成中と述べた。
(高橋淳)
(ロシア)
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