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欧州委、日EU・EPAの地方・中小企業への効果を紹介

(EU、日本)

ブリュッセル発

2019年02月01日

欧州委員会は2月1日に発効した日EU経済連携協定(EPA)(2018年12月25日記事参照)について、活発な国際展開を進める大企業のみならず、欧州の中小企業、地方企業にとっても、新たに日本市場へアクセスする好機として捉えている。欧州委は「あなたの町の日本との貿易」というサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを立ち上げ、日EU・EPAの経済効果を享受することが想定される、EU加盟国の「日本向け輸出企業数」「(それに伴う)雇用創出数」「想定される有望商品」などを国、主要地域単位で紹介。日EU・EPA活用の機運を盛り上げている。

例えば、ベルギーをみると、日本向けに輸出している企業は1,989社、1万5,514件の雇用創出(EU全体では約75万件)に貢献。ブリュッセル首都圏地域からはチョコレート、フランダース地域からはビール、ワロン地域からは壁紙などの日本向け輸出の動きがあることが、分かりやすく説明されている。

また、EU理事会は1月28日、EUが近年、通商協定の整備に力を注いできたアジア大洋州地域(2018年12月19日記事参照)の中で、日本、シンガポール、ベトナムを先行対象として、それらとの通商協定に盛り込まれたセーフガード条項を整備するためのEU規則を採択。これらの地域でのセーフガード措置の水平運用を目指す、新たなルール整備も進めている。

ただ、一部には、日EU・EPAについて課題を指摘する有識者の声もある。欧州議会のマリア・アレナ議員〔ベルギー選出、中道左派「社会・民主主義進歩連盟グループ(S&D)」所属〕は、1月27日にブリュッセルで行われた気候変動対策デモを念頭に、EUカナダ包括的経済貿易協定(CETA)、日EU・EPAなどを名指し、これらの通商協定に自身が反対している背景に、気候変動対策の観点での懸念があると指摘した。

新たな日欧関係を開く日EU・EPA

また、ある在欧日系企業(製造業)は、「関税撤廃・削減の経済メリットを享受するための前提となる、原産地規則やその実務運用に関する分かりやすい解説書・セミナーなどに対するニーズ・期待が社内で根強い」とする。ただ、日系自動車産業関係者は「関税撤廃・削減のメリットは、セットメーカー側が相当額の値下げ要求を部品サプライヤーに行うと、サプライチェーン全体でのメリット感は薄れる」と指摘するほか、「日EU・EPAの原産地証明制度特有の自己申告制度に対応しようとすると、厳密な原産地情報を納品先に共有するためのITシステム導入コスト負担も課題」との声もある。

他方、日系自動車産業関係者は、「世界の自動車産業を牽引するEUと日本の通商協定の真価は、自動運転技術などの戦略分野でEUと日本の政府・産業界が優れたルール形成を進め、規制協力などの枠組みを積極活用することにある」としている。

(前田篤穂)

(EU、日本)

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