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IMF、世界経済成長の見通しを引き下げ、ユーロ圏で下方修正

(世界)

国際経済課

2019年01月22日

IMFは1月21日発表の「世界経済見通し外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」で、世界経済の成長率(実質GDP成長率)を、2018年3.7%、2019年3.5%、20年3.6%とし、2018年10月に発表した見通し(2018年10月11日記事参照)から、2019年は0.2ポイント、2020年は0.1ポイント下方修正した(表参照)。

表 世界および主要国・地域の経済成長率

米国と中国の見通しに変更はなかったが、ユーロ圏の2019年の見通しが0.3ポイント引き下げられた。下げ幅が大きいドイツは、自動車に対する新しい排ガス試験導入に伴う工業生産の弱さ、さらには低調な外需が下方修正の理由となっている。イタリアは、内需の弱さと国債の利回りが高止まりしていることに伴う借入コスト増を踏まえた下方修正となった。

英国の2019年の見通しは、前回から変更はない。EU離脱(ブレグジット)に伴う不確実性の長期化がもたらす負の影響が、財政面による景気刺激策のプラス効果を打ち消すとする。なお、今回の見通しは、ブレグジットの行方が不透明なものの、2019年に英国EU間で離脱協定が合意に達することを前提にしている。

その他の欧州では、欧州新興・途上国の2019年の見通しが1.3ポイント、2020年が0.4ポイント引き下げられた。より厳しい対外金融環境などに直面するトルコ経済の不振が反映されている。

インドの2019年の見通しが0.1ポイント上方修正された。石油価格下落、さらにはインフレ圧力の緩和を踏まえ、金融の引き締めが以前に想定されていたよりも緩やかなペースで進むと指摘されている。一方、国際的な石油価格低下は、ロシアなどの産油国の見通しの下押し要因となっている。

貿易摩擦と金融市場心理がリスク

IMFは、世界経済の成長見通しに対する主なリスクとして、「貿易摩擦」と「金融市場心理(センチメント)」を挙げる。貿易摩擦については、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の署名や、米中間の関税の追加的引き上げの90日間留保、米国産自動車に対する中国の関税引き下げといった沈静化に向けた動きを歓迎しながらも、USMCAの批准や米中間の交渉次第であると指摘する。

金融市場心理については、イタリアの債務状況悪化の可能性、英国が合意なくEUから離脱(ノー・ディール)して国際的にマイナスの影響が生じる可能性などを指摘する。このほか、中国で予想を超える景気減速が起こった場合、中国経済の健全性に対する懸念が金融市場や商品市場において広範囲に影響を与える可能性を示唆する。

(朝倉啓介)

(世界)

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