鉄鋼関連製品の輸入手続きを厳格化
(インドネシア)
ジャカルタ発
2019年01月11日
インドネシア商業省は2018年12月20日、鉄鋼、合金鋼およびその派生品の輸入規制に関する商業大臣規程2018年第110号を公布した。鉄鋼・合金鋼・派生品の輸入管理を強化するため、輸入承認書の取得に当たり、工業省による技術診断書の提出を義務付けた。技術診断書の提出は2017年1月にいったん義務化されたが、通関手続き迅速化の目的で2018年2月に撤廃されていた(2017年2月16日記事、2018年1月26日記事参照)。今回、再度の義務化となった。この規程は2019年1月18日から有効となるが、旧規程に基づいて取得済みの輸入承認書は、有効期限終了まで有効となる。
1トン未満の輸入品も対象に
旧規程では、1トン未満の輸入品については規程の対象外と定めていたが、今回制定された2018年第110号では、この項目が削除された。そのため、1トン未満の場合も輸入承認書の取得が必要になったと考えられる。他方、航空機を利用して郵便事業者(クーリエ事業者など)を通じて輸入する場合、引き続きFOB1,500ドルまでに限り、規程の対象外とした。
また、2018年2月に通関時間短縮の目的で導入した事後監査制度についても言及が撤廃された。これは、輸入通関時に必要に応じ税関検査を行える余地を残したと考えられる。加えて、輸入商社など一般輸入者番号(API-U)および同番号に相当する事業基本番号(NIB)で輸入しようとする場合、通関の場所を保税物流センター(PLB)に限定するとの記載が追加されたが(2018年第110号第4条第2項)、客先が確認できないまま輸入商社などが貨物を輸入することのないようにしたいという意図がうかがえる。PLB以外で通関するためには、客先との販売契約書あるいは発注書を提示することが必要となる(同第4条第3項)。この制度は2月2日以降に仕向け港に到着した輸入品から適用になるため、該当する場合は注意が必要だ。
商業大臣規程2018年第110号仮訳(一般社団法人 鉄鋼連盟提供)を参照のこと。
(佐々木新平、山城武伸)
(インドネシア)
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