鉄鋼と鉄鋼製品に新たな輸入規制を導入-レール、ナット、ボルトなど対象を471品目に拡大-

(インドネシア)

ジャカルタ発

2017年02月16日

 商業省は1月1日から、鉄鋼および鉄鋼製品の新たな輸入規制を導入した。関税分類番号(HSコード)2桁ベースで73類(鉄鋼製品)の多くの品目で、事前の輸入承認や船積み前検査が必要となった。レール、ナット、ボルト、ワッシャーなどが対象に含まれるため、自動車関連をはじめとするサプライヤーにも影響が及ぶ可能性がある。なお、新たに対象となった製品については2月28日入着分まで規制は適用されない。

<2019年末までの規制>

 商業省が2016年12月9日付で発表した、鉄鋼および鉄鋼製品の輸入規制に関する商業大臣規定No.82/M-DAG/PER/12/2016号によると、旧規定(No.113/M-DAG/PER/12/2015号およびNo.28/M-DAG/PER/6/2014号)が2016年12月31日で終了するのに伴い、規制内容を見直した上で、2019年12月31日までの新たな輸入規制を導入した。

 

 旧規定では、合金鋼と非合金鋼を対象にモニタリングを目的として輸出地における船積み前検査の実施を定め、合金鋼については数量枠管理も実施されていた。新規定は、これらの輸入規制を統合するとともに、対象品目を旧規定の鋼板製品中心の268品目から、鋼管、レール、鉄鋼二次製品(ボルト、ナット、ばねなど)に拡大した471品目で実施する。輸入者は、製造輸入事業者番号「API-P」もしくは一般輸入事業者番号「API-U」を商業省から取得することが定められている。輸入承認の有効期間は、API-Pは発行後12ヵ月間、API-Uは6ヵ月間となった。なお、新たに規制対象となった製品については旧規定の輸入許可が2月28日入着分まで有効だが、速やかに新たな規制に対応することが必要となっている。

 

 新規定に基づく輸入承認を取得する場合、後述する工業省の技術診断書を取得の上で、表1の書類を添付して商業省の電子申請システム「INATRADE」を通じて国際貿易総局長宛てに申請する。申請が受理された場合は、3営業日以内に輸入承認書が発行される。

表1 輸入承認書の発行に必要な書類

 輸入承認を取得した会社は、輸入実績の有無にかかわらず3ヵ月に1度、翌四半期の15日までにINATRADEを通じて商業省に報告し、報告書の写しを工業省〔金属・機械・輸送機・電子電機総局(ILMATE)長〕に提出する義務を負う。報告義務を2度怠った場合は、次回の輸入承認書の申請延期などの罰則が適用される。

 

<工業省から技術診断書の取得が必要に>

 輸入承認書の発行に必要な書類のうち、b.工業相あるいは指名を受けた公務員の技術診断書の発行手順は、2016年12月23日付の鉄鋼、合金鋼および派生品の輸入における技術的要件に関する工業大臣規定No.86/M-IND/PER/12/2016号で定められた。技術診断書の有効期間は、API-Pは発行後12ヵ月間、API-Uは6ヵ月間となっている。

 

 技術診断書を取得する場合、表2の書類を添付して工業省の金属産業部門(ILMATE)総局長宛てに申請する。技術診断書の取得後3ヵ月ごとに輸入、生産、販売実績を工業省の電子許認可システム「SIINas」を通じて報告する。

表2 技術診断書の発行に必要な書類

<メーカーや商社は規制対象の確認を>

 商業大臣規定No.82MDAGPER122016号では、旧規定から新たにHSコード73類(鉄鋼製品)の多くの品目が対象に加えられた。同分野にはレール、ナット、ボルト、ワッシャーなど鉄鋼の二次製品が含まれている。二輪車・自動車をはじめとするメーカーや商社は、従来の輸入部品が新たな規定の対象となるかどうかの確認が必要だ。HSコード73類の対象品目の詳細は規定原文に添付されているリストを参照する必要があるが、ここでは表3に主な品目を列記した。

表3 輸入承認書が必要となる主なHSコード73類(鉄鋼製品)の品目

<一部鋼材や用途による例外規定も>

 輸入承認書を取得したAPIPAPIU保有者は当該品目の輸入の都度、政府指定のサーベイヤーによる船積み前検査を行う義務がある。船積み前検査の費用は輸入者の負担となる。少なくとも実施される検査内容は表4のとおり。検査結果はサーベイヤーレポート(LS)としてまとめられる。

表4 船積み前検査の内容

 船積み前検査は、表5の品目については対象外となる。一方、線材の一部、ステンレス冷延、電磁鋼板、合金鋼ブリキ原版といった製品およびAPIP保有事業者で2国間通商協定のスキームなどを利用した輸入については検査対象外となる。なお、日インドネシア経済連携協定(EPA)では、特定用途免税制度「USDEF」スキームにより自動車、電気・通信、建機・重機、エネルギー向けの製品が検査対象外となる。

表5 船積み前検査対象外となる事項

 なお、自由貿易地域、自由貿易港、保税蔵置場への搬入や、売買用ではないサンプル、研究目的の物品については、商業大臣規定No.82/M-DAG/PER/12/2016号の対象とならない。また、一時輸入品やプロモーション品なども同規定の対象外だ。詳細は規定第21条、22条で定められている。

 

(山城武伸)

(インドネシア)

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