外国人の労働許可証の取得費用が2倍に

(ナイジェリア)

ラゴス発

2019年01月11日

ナイジェリア連邦内務省が2018年12月中旬から、外国人の労働許可証の取得費用を1,000ドルから2,000ドルに値上げしていたことが明らかになった。ジェトロは1月10日、ナイジェリア移民局(NIS)から値上げの内容を含む連邦内務省資料を入手し確認した。

ナイジェリアの労働許可証(Combined Expatriate Residence Permit and Aliens Card)は、長期滞在して労働する全ての外国人に取得が義務付けられている。取得には外国人割り当ての保有が前提となる。申請には、所定の書類を提出するほか、州ごとに指定された金融機関を通じて申請料を支払うことが必要。

今回の値上げは2018年12月12日ごろから実施されたとみられるが、事前の発表は一切なかった。費用の支払いに訪れた外国人が金融機関の窓口で値上げを突然伝えられたことを現地メディアが報じ、事態が明らかになった。

複数のメディアが報じた12月23、24日の時点では、連邦内務省は公表していなかった。現地大手紙「ディス・デイ」の取材に対しても、同省広報部門は「情報がない」との回答にとどめ、裏付けが得られない状況だった。移民局ウェブサイトの案内外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは現在も1,000ドルのままだ(1月10日時点)。

ナイジェリア政府は不況の打開策の一環として、2016年にビジネス環境改善のための専門部局(PEBEC)を立ち上げた。当初は会社設立の手続き簡素化や、アライバルビザの導入など、外国人の来訪や外資系企業誘致を促進する取り組みが目立った。しかし、今回の値上げは、外国人が多く在籍する外資系企業の操業コストに影響が出そうだ。

外国人労働者が減る分、ナイジェリア人労働者の雇用が増加し、国内への技術移転が進むという見方もある。2019年2月に控えた大統領選挙を見据え、2018年12月に発表された雇用統計であらわになった失業率(23.1%)の上昇(2018年12月28日記事参照)に対する不満を抑えるための決定とみられる。

(山村千晴)

(ナイジェリア)

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