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輸出管理改革法(ECRA)セミナーを開催

(米国)

米州課

2019年01月31日

ジェトロは1月30日、元米国商務次官補(産業安全保障担当)のケビン・ウルフ氏を講師に招き、米国輸出管理改革法(ECRA)セミナーを東京で開催した。ECRAは、2018年8月13日に、2019会計年度の国防授権法(H.R.5515)に盛り込まれるかたちで成立外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。既存の輸出規制でカバーしきれない「新興・基盤技術(emerging and foundational technologies)」のうち、米国の安全保障にとって必要な技術を輸出規制対象とすることなどを定めている(2018年11月22日記事参照)。このうち新興技術については、その特定方法を定めるためのパブリックコメントが1月10日まで行われていたが(2018年12月17日記事参照)、まだ具体的な方法は提示されていない。特定までの期限は決められていないものの、ウルフ氏は講演の中で、2019年夏の早い段階までに、何かしらの指針が商務省産業安全保障局(BIS)から示される可能性がある、と述べた。

写真 講演するウルフ氏(ジェトロ撮影)

講演するウルフ氏(ジェトロ撮影)

対中輸出は規制強化の可能性

ウルフ氏はまた、ECRAによって対中輸出規制が強化される可能性についても言及した。ECRAは、直接的には対中輸出政策に対して何の変更も求めていないものの、法律が執行されてから270日以内に、包括的武器輸出禁止国に対する輸出ライセンス発行対象の見直しを求めている。ウルフ氏は、トランプ政権がこの条項を基に、対中輸出に関するライセンス発行、輸出・再輸出の許可を厳しくする、と判断する可能性があると指摘した。ECRAは2018年8月に成立したため、見直しは5月までに行われる。

このような将来的な変更に日本企業が備える方法について、ウルフ氏は質疑応答の中で3点提案した。まずは、新興・基盤技術の定義のようにまだ確定されていない点も多いため、これらがどのような議論を経て施行されていくのかを注視しておくこと。次に、米国の製品や技術が社内でどのように利用されているのか整理しておくこと。例えば、米政権の制裁対象となった企業にそれら製品を供給している場合は、直ちに日本からの輸出を止め、米当局が求める情報を速やかに提出できる体制を整えておくことが重要だと指摘した。加えてECRAは米国外で既に取得できる技術については規制対象外としているため、米国外で取得できる技術だと証明できるようにしておくことも重要だと述べた。最後に、輸出規制に限らず、米政権が科し得る制裁などの動向を把握し、それらに対応できるようにしておくことも重要だと指摘した。

ウルフ氏はまた、ECRAは既存の輸出管理規則(EAR)を変更するものではないことから、BISが修正を行わない限り、これまでどおりEARの対象となる輸出、再輸出などは規制されるため、引き続きEARは順守する必要があることも強調した。

(赤平大寿)

(米国)

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