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米国自動車産業の現地最新事情を群馬で発信

(米国、日本)

群馬発

2018年12月21日

トランプ政権による追加関税の賦課や、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を受けて誕生した米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)による原産地規則の厳格化など、米国自動車産業の先行きが不透明な中、ジェトロは、デトロイトとシカゴから業界関係者などを招いた米国自動車産業セミナーを、12月6日に群馬県の高崎市、7日に太田市で開催した。群馬県は、製造品出荷額などの4割以上を自動車関連産業で占めるほか、米国への自動車関連製品の輸出も多く行われている。セミナーには合計で約150人が参加した。

写真 約100人が参加した太田市でのセミナーの様子(ジェトロ撮影)

約100人が参加した太田市でのセミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーで講師を務めた日本自動車部品工業会(JAPIA)北米代表の河島晢則氏は、2つの大きな動きについて説明した。1つ目は、米国の新車販売台数(注)は8年続いた増加から2017年に減少に転じたが、内訳をみるとライトトラック〔ピックアップトラック、スポーツ用多目的車(SUV)、ミニバン、クロスオーバーなど〕は増加し続けており、乗用車(セダンなど)だけが減少している点(2018年12月13日記事参照)。河島氏は、もともと北米では大きめのライトトラック、SUVを好む傾向にあるが、昨今の安い燃料価格と環境規制の緩和もあり、今後もクロスオーバーやそれに代わるような新たなファミリーカーも含めたこの分野が売れる傾向は続くとの見解を述べた。一方、乗用車の販売台数は減少するものの、日系メーカーが強い分野であり、米系メーカーが車種を絞ってくれば、今後も高いシェアを維持できるとも述べた。

写真 講師の河島JAPIA北米代表(ジェトロ撮影)

講師の河島JAPIA北米代表(ジェトロ撮影)

もう1つの大きな流れは、相互通信(Connectivity)、自動運転(Autonomous)、シェアリング(Sharing)、電動化(Electrification)の頭文字をとって「CASE」といわれる次世代自動車を見据えた動きだ。同氏は、この傾向は米国、欧州、日本、中国でも進んでいるが、それぞれ動機は異なり、米国ではスマートフォンの普及に伴う若者の交通事故増加が社会問題となっていることから、その解決策として自動運転の開発が期待され、これを実現するために、動力源として制御しやすい電動化や相互通信なども同時に開発しようとしている、との見解を述べた。ただし、実現時期は不透明とも付け加えた。

先日発表されたゼネラルモーターズ(GM)の完成車3工場の事実上の閉鎖(2018年11月28日記事参照)は、このような新たな分野へ投資するため、採算の悪い乗用車部門やベテラン従業員を整理したい意図が考えられると同氏は説明するとともに、今後米国でビジネスを展開する企業はこれらの現状を踏まえ、年間1,600万台規模の需要が続く米国市場に「どのように参加するか」の戦略を立てることが重要だと語った。

12月7日のセミナーでは、河島氏に加え、経済産業省米州課の金江万裕係長、ジェトロ・シカゴ事務所のラルフ・インフォルザート所長、渡邉尚之次長、ジェトロ海外調査部の秋山士郎米州課長が登壇し、米国の通商政策、中西部の製造業の最新動向なども説明し、参加者は真剣に聞き入っていた。

(注)総車両重量評価(GVWR)で北米では6.3トン以下、そのほかの地域では6トン以下の自動車を対象とする。

(柴原友範、亀井信明)

(米国、日本)

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