GMが生産体制を大幅に見直し、工場停止や人員削減

(米国)

ニューヨーク発

2018年11月28日

米国自動車メーカーのゼネラルモーターズ(GM)は11月26日、北米5工場での乗用車生産停止と、人員削減を含む大幅な業務再構築計画を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。乗用車の販売減、次世代車である電気自動車(EV)や自動走行車(AV)の普及といった今後の市場の変化に対応するため、資本と人材の配分を最適化し、2020年末までに年間約60億ドルのコスト削減を目指す。

コストを削減し、次世代車に対応

今回、対象となるのは、乗用車の生産拠点であるミシガン州ハムトラマック、オハイオ州ローズタウン、カナダのオシャワの3つの組立工場と、メリーランド州ボルチモア、ミシガン州ウォーレンの2つの変速機工場。北米以外では、韓国の群山工場のほか2工場で操業を停止する。米国では乗用車人気が低下しており、GMも乗用車が前年比20.3%減となり、2017年の販売台数は全体で1.4%減と減少した。今回対象となる北米3工場では、シボレー「インパラ」「クルーズ」、キャデラック「XTS」などを生産しており、販売台数はそれぞれ前年比で約6割減、3割減、3割減と大幅に減少した。

人員削減に関しては、幹部クラスの25%を含む、従業員全体の15%が対象となる。

一方で、先端技術への投資に注力することが盛り込まれた。EVやAVなどの開発には、今後2年間で2倍の資源を投入する。

GMは今回の改革で、資産評価損や年金の支払い、その他の従業員関連費用などで最大38億ドルの支出を想定している。メアリー・バーラ会長兼最高経営責任者(CEO)は「今回の改革により、長期的な収益増をもたらす体制をつくり、回復力の向上を目指す」と述べた。なお、同社では通商拡大法232条による鉄鋼への追加関税で10億ドルのコストが発生した、と報じられている。

トランプ大統領は「not happy」と発言

今回対象となる拠点の従業員数は、米国だけで合計6,000人以上に上る。雇用回帰を政策の目玉とするトランプ大統領はメディアのインタビューに対し、「GMの決定を快くは思っていない(not happy)。これまでバーラ会長には、売れる車種を生産するよう何度も説得してきた。今後の展開に期待している」と述べた。

また、全米自動車労働組合(UAW)の担当者は「今回の決定は寝耳に水だ。『生産割当停止』についてもよく分かっていない」とした上で、「無公害車の生産など、新たな要求には前向きに対応していくつもりだ」と、今後のGMの対応を注視する姿勢を示した。

(大原典子)

(米国)

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