2019年から706品目の輸入関税率を引き下げ

(中国)

北京発

2018年12月28日

国務院関税税則委員会は12月22日、一部品目の輸出入関税率を2019年1月1日から調整すると発表した。706品目に対して、WTO加盟国に対する最恵国税率(MFN税率)より低い輸入暫定税率を適用する。輸入を積極的に拡大するための措置とされる。

新エネ車用リチウムイオン電池の輸入関税率は引き上げ

706品目のうち、飼料・肥料に用いられる菜種などの搾りかす、一部薬品の生産原料などについてはゼロ関税を実施する。国内需要が旺盛な航空機エンジン、自動車生産ラインの溶接ロボットなどの先進設備、天然まぐさ、天然ウランなどの資源に対しては、2018年に引き続き輸入暫定税率を適用する(注1)。

一方、中国が輸入規制を強化している固体廃棄物のうち、マンガンくずなど4種に対する輸入暫定税率が取り消され、MFN税率が適用される。新エネ車用リチウムイオン電池や同電池の材料に使用される塩化チオニルも同様だ。

また、化学肥料、リン灰石、鉄鉱石砂、スラグ、コールタール、製紙用パルプなど94品目の輸出関税の徴収停止を決定した。

中国が自由貿易協定(FTA)や関税優遇協定を締結している国・地域のうち、ニュージーランド、ペルー、コスタリカ、スイス、アイスランド、韓国、オーストラリア、ジョージア、アジア太平洋貿易協定(APTA、注2)加盟国を原産国とする輸入品の協定税率をさらに引き下げる。経済緊密化協定(CEPA)を締結している香港、マカオを原産地とする輸入品については、一部例外を除く品目についてゼロ関税を実施する(詳細は2018年12月21日記事参照)。

WTO加盟議定書の一部である情報技術協定(ITA)に基づき、2019年7月1日から情報技術製品298品目PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)について、第4段階の引き下げを実施する。

なお、今回の発表では輸出入品目総数の調整は行われなかった。発表の原文と詳細な税率については財政部ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで閲覧できる。

(注1)2018年には948品目に対して輸入暫定税率が適用されていた(2017年12月27日記事参照)。

(注2)加盟国はバングラデシュ、インド、ラオス、韓国、スリランカ。

(小宮昇平)

(中国)

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