輸出入関税を1月1日から調整-948品目の輸入関税を引き下げ-

(中国)

北京発

2017年12月27日

財政部は12月12日、輸出入関税を1月1日から調整すると発表した。先進設備、キーパーツ、エネルギー原材料など948品目に対して、WTO加盟国に対する最恵国税率(MFN税率)より低い輸入暫定税率を適用する。また関税品目数の調整も実施され、これによって輸出入品目の総数は8,549(HS8桁分類)となる。

先進設備やキーパーツなどに輸入暫定税率を適用

発表によると、2018年はイノベーション駆動型発展や供給側(サプライサイド)の構造改革を引き続きサポートするため、需要の大きい先進設備、キーパーツ、エネルギー原材料の輸入奨励を目的に、2018年1月1日から948品目の輸入品に対して最恵国税率よりも低い暫定税率を適用するとした。デジタルX線フラットパネル検出器、ドビー織機・ジャカード織機、動力電池用正極材料、先進医薬原料、ヤシ糖などが対象となる。また、自動車用金型に対する輸入暫定税率の適用範囲も拡大する。

その一方で、国内外の需給の変化に応じて、ニッケルインゴットの輸入暫定税率を適度に引き上げるとした。また、環境への影響が大きい固体廃棄物の輸入を国務院が全面的に禁止したことを踏まえて(2017年9月15日記事参照)、廃棄マグネシアれんが、廃鉄スラグ、廃スラグなどの輸入暫定税率を廃止した。

さらに、産業の発展や輸出環境の変化を考慮して、一部の鋼材、緑泥石などの輸出関税を撤廃し、鉱物性肥料および化学肥料(注1)、リン灰石、コールタール、木片、フェロシリコクロム、鋼片などの輸出関税を適度に引き下げるとした。2018年は202品目に対して、輸出関税および輸出暫定関税を適用する。

IT関連製品には第3段階の関税引き下げを実施へ

加えて、「一帯一路」および自由貿易区の建設を促進するため、26の国・地域の産品に協定税率(注2)を適用するとした。2018年1月から中国との自由貿易協定(FTA)が発効するジョージアの産品に対して新たに協定税率を適用するほか、中国とFTAを結んでいるASEAN、パキスタン、韓国、アイスランド、スイス、コスタリカ、ペルー、オーストラリア、ニュージーランドの産品に対する協定税率をさらに引き下げるとした。

また、WTO加盟議定書の一部である情報技術協定(ITA)に基づき、2017年7月1日からIT関連製品に対する第2段階の引き下げを行ってきたが、これを2018年6月30日まで継続した後、2018年7月1日からは第3段階の引き下げを実施する。対象はOA機器や通信機器の部品など484品目PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)に及ぶ。

なお、国内産業の発展状況と輸出入管理の需要を踏まえて、2018年は輸出入税則中の一部の税目を調整し、輸出入品目の総数を2017年の8,547から8,549に微増させる。

今回の発表の原文と詳細な税率については財政部ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで閲覧できる。

(注1)窒素、リンおよびカリウムを含有するものに限る。

(注2)中国が加盟する多国間・2国間の貿易協定締結国からの輸入品に対する関税率。

(宗金建志)

(中国)

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