マハリノ~琿春間の鉄道貨物輸送量、300万トン超の見通し

(ロシア、中国)

モスクワ発

2018年12月04日

ロシア鉄道極東支社の発表(11月20日)によると、ロシア沿海地方のマハリノ駅と中国黒龍江省の琿春駅との間の鉄道貨物輸送量が、2018年通年で300万トンを超える見通しだ。2018年初からの輸送量は既に250万トンを超えており、2017年通年の輸送量に相当するという。2018年末までにさらに50万トンの輸送量を見込んでいる。

マハリノと琿春の両駅は国際輸送ルート「プリモリエ2」上に位置し、ロシア沿海地方を経由して日本や韓国と、中国東北部をつなぐ役割を担うと期待されている。同社によると、2018年8月から「プリモリエ2」を活用した定期コンテナ輸送が始まっており、11月20日までのコンテナの輸送量は581TEU(20フィートコンテナ換算量)となっている。「プリモリエ2」を通じて、鳥取県の境港から中国吉林省の長春まで貨物を試験輸送するプロジェクトも実施されている(2018年11月14日記事参照)。ロシア鉄道は同駅間の貨物輸送の需要増を受け、国境通過地点などでのインフラを改修し、年間輸送可能量を800万トンとする計画だ。

「プリモリエ2」については、同ルート上にあるスラビャンカ港にバルク貨物およびコンテナ貨物用ターミナル(年間取扱可能量はそれぞれ1,000万トン、500万トン)を建設する計画も浮上している。アレクサンドル・コズロフ極東発展相は、ウラジオストク自由港入居企業で本計画を進めている太平洋バルク・ターミナルの幹部と、政府による支援の在り方に関して議論した(極東発展省発表11月16日)。極東発展省によると、本プロジェクトは国家プログラム「極東バイカル地域社会経済発展」に含まれており、優先的に非金銭的支援が提供されるという。

(タギール・フジヤトフ)

(ロシア、中国)

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