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不動産大手の恒大集団が米国301条調査報告書の対象に

(中国、米国)

広州発

2018年12月06日

米通商代表部(USTR)は、11月20日に発表した1974年通商法301条に基づく対中制裁措置に関する調査報告書の改定版(2018年11月29日記事参照)で、広東省の不動産大手恒大集団による米国の電気自動車(EV)メーカー、ファラデー・フューチャーの買収(2018年8月23日記事参照)を、対外投資による知的財産権の不正な入手の事例として挙げた。

共産党の影響を指摘

調査報告書は、恒大集団は民間企業だが、設立者の許家印会長は共産党員として同社の共産党組織のトップを務め、「恒大集団の全ては共産党のおかげ」と公言している点を問題視している。

同報告書では、恒大集団が買収の際のプレスリリースで「買収により世界トップの技術が中国に導入され、核心的競争力は大幅に高まる」とファラデー・フューチャーの技術の重要性を強調し、380件の特許権を取得したことも事例として取り上げた要因としている。恒大集団のプレスリリースは、中国政府の産業政策「中国製造2025」により電気自動車産業の発展が打ち出されていることも触れており、政府の政策と買収との関連をうかがわせる記述となっている。

また、ファラデー・フューチャー側は、恒大集団が合意した買収額20億ドルのうち8億ドルしか支払っていない上、他社からの資金調達を妨げているとして仲裁を申請したほか、ファラデー・フューチャーの従業員も恒大集団に対して集団訴訟を起こしている。「恒大集団は(ファラデー・フューチャーに対する)他社からの融資を阻止し、知的財産権の支配を狙っている」とファラデー・フューチャーが主張している点も、不正な入手の事例と判断された要因とされている。

恒大集団は合法的と主張

11月27日付「21世紀経済報」では、DCCIインターネット研究院の劉興亮院長が「恒大集団は報告書で引用されているプレスリリースなど、米国政府に(非難の)根拠を与えてしまった」と指摘している。同紙は一方で、恒大集団は今回の投資について、純粋な商業行為であり、米国の法律に基づいた手続きを経ていると主張しているという。

ファラデー・フューチャーへの影響については「現時点で良いか悪いかを判断することはできない。(ファラデー・フューチャーCEOの)賈躍亭は中国人であるため、米国政府が問題として取り上げると、(中国と米国との)板挟みの状態になるだろう」との見方がある(「第一財経」11月22日)。

(河野円洋)

(中国、米国)

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