インドネシア配車サービス、ゴジェックがシンガポール市場参入

(シンガポール)

シンガポール発

2018年12月07日

インドネシアにおいて携帯電話のプラットフォームで配車や宅配などのサービスを展開するゴジェック(Go-Jek)は、2018年11月29日からシンガポールで、地域を限定しての試験サービスを開始した。ゴジェックはインドネシア最大のシェアリング・サービスを提供する、同国を代表するユニコーンの1社。同社は2010年に創業して以来、インドネシア国内でのサービス展開に注力していたが、2018年9月にベトナムでのサービスを開始し(2018年9月25日記事参照)、タイとフィリピンでもサービス展開を予定するなど、国外進出を本格化させている。

シンガポールで現在、ゴジェックのベータ版(試用版)の携帯アプリの優先利用者は、ゴジェックの提携先であるDBS銀行とその子会社POSB銀行のカード利用者になる。ゴジェックは、同社のベータ版アプリを通じて利用登録した、DBS銀行とPOSB銀行のカード利用者向けに順次、配車サービスを開始している。ゴジェックのシンガポール全土での本格サービス開始は、2019年初頭の見通しだ。

シンガポールを本拠とするグラブは現在、同国で約8割の市場シェアを持つ。グラブは2018年3月、競合相手の米国ウーバーの東南アジアにおける配車とフードデリバリー事業を買収し、東南アジアでは最大の配車サービス事業会社だ(2018年10月16日付地域・分析レポート参照)。グラブは現在、シンガポールをはじめ、インドネシア、フィリピンなど8カ国で配車サービスやフードデリバリーなどを展開している。競合相手であるゴジェックが海外展開を本格化し始めたことで、両社間の競争が今後、域内で激化するとみられる。

(本田智津絵)

(シンガポール)

ビジネス短信 5baf80d7bbd7113e