ライドシェアのゴジェック、ベトナムでサービス開始

(インドネシア、ベトナム)

ジャカルタ発

2018年09月25日

インドネシアでライドシェア・アプリを展開するゴジェック(Go-Jek)は9月12日、ベトナムでのサービス開始を正式発表した。ベトナムでのブランド名は「ゴー・ベト(Go-VIET)」。同社は2018年5月、海外展開に5億ドルを投入することを発表し、ベトナム、タイ、フィリピン、シンガポールへの参入を検討していた。同日の式典には、ベトナムを訪問していたジョコ・ウィドド大統領が出席し、地元スタートアップの国際展開に期待感をにじませた。

ゴジェックのプレスリリースによると、6月にベトナムに現地法人を設立していた。ベトナムのパートナーは、起業家でウーバー・テクノロジーでの勤務経験を持つグエン・ブ・ドゥク氏。報道によると、8月1日からホーチミン市でサービスを開始し、これまでに登録した運転手は2万5,000人に上り、アプリのダウンロード件数は150万回に達している。同社によると、既にホーチミン市のライドシェア市場のシェア35%を獲得したという。9月12日からは、ハノイ市でもサービスを開始した。今後、商品や食品の配達のほか、電子マネー事業も手掛ける計画だ。

ゴジェックは、米国ハーバード大学卒のナディエム・マカリム氏が、2010年にインドネシアでライドシェアサービスを始めた。スマートフォンの普及に伴って、急速に利用者が拡大しており、2017年12月時点で、登録しているインドネシア国内の運転手は90万人、1週間の利用者数は1,500万人に上ると報じられている。推定企業価値は50億ドルで、インドネシアを代表するユニコーン企業の1つに数えられている。中国のテンセント、シンガポールのテマセク・ホールディングス、米国のグーグル、地場のアストラ・インターナショナルなどが同社に投資している。

東南アジアのライドシェアサービスでは、ウーバーの東南アジア事業を買収したグラブ(Grab、マレーシア発祥でシンガポールに本社)が先行しており、既に8カ国でサービスを展開していることから、今後、同社とのシェア争いが本格化するとみられる。

(山城武伸)

(インドネシア、ベトナム)

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