北米最新経済動向セミナー、全米各地で人材不足の状況が続く

(米国、カナダ)

米州課

2018年12月13日

ジェトロが12月10日に東京で開催した「北米最新経済動向セミナー」報告の中編(2018年12月12日記事参照)。

セミナーの第1部では、2018年11月の米国中間選挙の結果、各地域の経済動向・企業動向、トランプ政権の通商政策の影響、日本企業の最新動向とビジネスチャンスをテーマに、パネルディスカッションを行った。各地域のジェトロ事務所で担当を分け、中西部はシカゴ事務所のラルフ・インフォルザート所長、南東部はアトランタ事務所の森則和所長、南部はヒューストン事務所の平井利長所長、西部はロサンゼルス事務所の西本敬一所長がそれぞれ報告した。

中間選挙の結果に関しては、地域によって優勢な政党の違いなどが示された。シカゴ事務所は、選挙結果はトランプ大統領への評価とは限らず、候補者本人の人気や選挙戦略が影響したとの見方を示した。

続いて、各地域の経済状況と通商政策の影響について、中西部では、イリノイ州、インディアナ州などの工業州で追加関税による税負担が増していること、ノースダコタ州、アイオワ州などの農業州で中国との貿易関係悪化の影響が懸念される状況が報告された。

南東部については、人口が増加傾向で、ビジネスコストが安く、物流網も充実し、中南米市場へも近く第三国市場開拓に適しているジョージア州、フロリダ州などの投資先としての魅力を紹介した。

南部は、特にテキサス州の主要都市で人口が増加し、経済も急成長しており投資先として有望なこと、各州ともおおむね経済は順調だが、必ずしも各州の景気が同じ動きを示していないことが説明された。

西部は、米中通商摩擦の影響について、物量減少の状況は見受けられず、追加関税発効前に中国からの掛け込み輸出で物量が増加していること、地元の物流業界からの懸念もまだ聞かれてないとの状況を報告した。また、南カリフォルニア地域での日本企業投資による雇用者数が外国企業の中で1位であること、日本食の日系・アジア系以外の市場の拡大に大きな可能性があることも説明された。

米国各地の共通の課題としては、好景気により人材不足であることも報告された。

写真 セミナー第1部の質疑応答の様子(ジェトロ撮影)

セミナー第1部の質疑応答の様子(ジェトロ撮影)

本セミナーの様子は、2019年1月11日(金)までオンデマンド配信中

(松岡智恵子)

(米国、カナダ)

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